2023-01-01から1年間の記事一覧

独り善がり読書(13)2006.7.27「覗き」?「恋の橋渡し」?はたまた「誘惑」?

私の井原西鶴探索もどんどん深みにはまって、さらに西鶴の生きた時代の風俗を知りたいものと、近くの区立図書館から「原色日本の美術全30巻」の中から、風俗画に関する浮世絵画集の2巻を、あまりの重さに、足をよろよろさせながら借りてきた。 じっくり眺…

独り善がり読書(12)2006.7.11「ダ・ヴィンチ・コード」ダ・ヴィンチの真意は如何に「最後の晩餐」の解釈

六本木の森アーツセンターギャラリーで「ダ・ヴィンチ・コード展」を見て、いくらか心を残していたのだが、その数日後に近所のbook-offのカウンターで、角川文庫の「ダ・ヴィンチ・コード」ダン・ブラウン著の上・中・下 各巻400円の値札を見て、思わず手に…

独り善がり読書(11)2006.06.18 日経新聞「経済教室」に見る中国の高貯蓄と米中経済摩擦

2006年6月8日付日本経済新聞の「経済教室」が、中国の経常収支黒字の膨張が、米国との経済摩擦を引き起こしているが、その主な要因に中国の家計貯蓄率の高さが挙げられると指摘している。 記事によると、中国の家計貯蓄率(家計貯蓄の可処分所得に占め…

独り善がり読書(10)2006.06.17 アメリカの節約の手引書「66 Ways to Save Money」のアドバイス

アメリカ国民は、先に楽しんで後で支払うというマインドが強いようで、低貯蓄率と借金依存体質が指摘されているが、2006年6月13日の日経新聞朝刊によると、借金依存度が益々深まっているようである。 特に、石油価格の高騰が、日本と異なり車社会で石…

独り善がり読書(9)2006.02.08 アカデミー賞ノミネート監督の本音の議論「News week」より

私が定期購読していた頃のNews weekは、毎年2月頃になると、アカデミー賞にノミネートされた俳優か監督たちを招いて、他の雑誌では見られない本音の議論で読者を楽しませてくれていた。 さて、2006年2月6日号では、その年のアカデミー賞の作品賞と監…

独り善がり読書(8)「News weekアジア版」定期購読事始め

嘗て私は、20年以上に亘って「News weekアジア版」を定期購読していた。そのきっかけは、1985年に導入の男女雇用均等に伴う職系転換試験をパスするためであった。 その試験科目は、一般社会問題、ビジネス問題、そして英語の三科目で、第一回目の転換…

独り善がり読書(7)「ルービン回顧録」~官民の人事交流、日米の違い

2005年11月頃に「ルービン回顧録」を読んだのだが、著者のロバート・ルービン氏は、ウオールストリートのトップ企業ゴールドマン・サックスの共同経営者から、クリントン政権発足に伴い新設された国家経済会議の議長に就任し、その後財務省長官を務め…

独り善がり読書(6)「being digital」and「The End of Work」

ところで、短期間のメンバーであった「Book-of-the-Month-Club」を経由して私が購入した本は、カズオイシグロの小説2冊、ペーパーバック小説数冊、そして「being digital」と「The End of Work」であったが、いずれにしても私の英語力で太刀打ちできるわけ…

独り善がり読書(5)ミケランジェロ還暦後の快挙 「The Sistine Chapel A Glorious Restoration」

「The Sistine Chapel A Glorious Restoration」は前回の「The White House Collection of American Crafts」と同様にBook-of-the-Month-Clubの特典で入手した一冊である。 この美術書は、バチカン美術館と当時のイタリア在住の日本人写真家、岡村崔氏(20…

独り善がり読書(4)ヒラリー・クリントンの置き土産「The White House Collection of American Crafts」

もう30年以上前のことだが、私は、アメリカが本拠地の書籍割引販売を売り物にした「Book-of-the-Month-Club」の短期間会員だった事がある。 その仕組みは、自宅に二ヶ月に一度の頻度でカタログが届き、その中から気に入った本を選び、申込書を航空便で送れ…

独り善がり読書(3)近所のBOOK-OFFで一冊105円の至福

2005年頃から、私は近所散歩のついでにBOOK-OFFに立ち寄るのが習慣になったが、その頃はスーパで買い物をすると同じ感覚で、店備え付けの買い物籠を抱えて、ポンポン本を買い込んでいる人が目に付いた。これは、BOOK-OFFが105円コーナーを設けて以来…

独り善がり読書(2)「吉原という経済圏」で生きる人々を活写した極上ミステリー「吉原手引草」

「吉原手引草」松井今朝子著(幻冬社)は、読者に、面白すぎて一気に読みたいが、他方で、選び抜かれた語り口から発散する蠱惑的な吉原の雰囲気をじっくり噛みしめたいので時間をかけて読みたいと迷いを起こさせる本である。 物語は、吉原一の全盛を謳われた…

独り善がり読書(1)モース主任警部のお国では補聴器は国民健康保険の対象!

2007年11月13日の日経夕刊の「早めの補聴器 不便解消」の記事に思わず目が行ったのは、遠からず私も直面する問題であったばかりでなく、「75歳以上普及率わずか一割」の小見出しに惹き付けられたからである。 というのは、私は「補聴器は国民健康保険の対象…

隠居Journal:神保町と私(9)回想(9)2012年11月:古書祭でピカソの素描集を

絵画教室に通い始めて半年経た頃、講師から年に一回開催される絵画教室主催の受講生の作品展示会に私が最近仕上げた、鴉の剥製をモチーフにした習作「狙いを定めて」を出品しないかと声をかけられて有頂天になり、友人に展示会案内を兼ねてメールで知らせた…

突然ですが、ロビー・ロバートソンを偲び映画「ラスト・ワルツ」の思い出

解散コンサートのライブ映画を見て熱狂的な「ザ・バンド」のファンになった私。特に、リーダーのロビー・ロバートソンが御大のボブ・ディランに向けたまぶしげな眼差しが今でも忘れられない。8月9日になくなったロビー・ロバートソンへ心からの哀悼を込め…

隠居Journal:神保町と私(8)回想(8)2011年11月「年7分2厘5毛」に目が釘付け

友人と週末に神田で飲む話になり、それではその前に、久し振りに神保町の古書漁りと、既に廃刊になった学燈社発行の『國文学』のバックナンバーが揃っている水道橋駅近くの「日本書院」で書棚をかき分けて、何とか目当ての三冊取り出して購入し、勇んで何時…

隠居Journal:神保町と私(7)回想(7)2007年8月 炎天下の小旅行 国立近代美術館から神保町へ

日差しのきつい日中は部屋に籠って読書と昼寝、散歩や買物は夕方5時過ぎから、これが2007年の真夏の私の生活のサイクルであった。つまり、晴耕雨読ならぬ暑読暮歩、自宅を中心として避暑地のように暮らせば、それなりに快適に暮らせる事を発見したのである…

隠居Journal:神保町と私(6)回想(6)2006年1月:岩波ホールで「二人日和」

私は、年末に京都を訪れて足の向くままあちこち歩き、三条河原町の古書店で古書を漁り、四条川原町や錦小路でお節を買い込んで、新年を京都で過ごす人達と入れ違いに大晦日に東京に帰って新年を迎えることを長年の習慣にしていたので、京都御所の近くの老舗…

隠居Journal:神保町と私(5)回想(5)2009年9月:定額給付金で身に過ぎたる古書漁り(2)

1人当り1万2千円の確定給付金を懐に第一弾の神保町古書漁りをしたのは5月のGW明けだった。 そして、第二弾として、残りの確定給付金を懐に神保町に古書漁りに繰り出したのは9月のSW(シルバー・ウィーク)初日だった。 ところで私は、シルバー・ウィ…

隠居Journal:神保町と私(4)回想(4)2009年5月:定額給付金で身に過ぎたる古書漁り(1)

GW明けにリーマン・ショック定額給付金(※)確定通知書なるものが届く。それによると2、3週間後に指定した口座に私の場合は1万2千円也が振り込まれるそうだ。 (※)リーマン・ショック定額給付金: 日本政府はリーマン・ショック後の2009年(平成21)…

隠居Journal:神保町と私(3)回想(3)2009年1月:八木書店で懐と相談

ブログで「後白河院」についてあれこれ書きまくるという、年来の課題にやっと踏み出したばかりだが、頭の中が煮詰まってきたので、何か材料はないかと久しぶりに神保町に足を向けた。世界はリーマンショックに打ちのめされ、我が国では消費者が節約と引き篭…

隠居Journal:神保町と私(2)回想(2)2007年8月:日本書房で「国文学」漁り

待望のひと雨後の涼しさ、これは「古書漁り日和」とばかりに、神保町の日本書房に行く。日本書房は、先日、神田古書店地図帖を私にくれた書店のご主人が、「神保町で唯一の国文学関係を豊富に揃えた店です」と教えてくれたお店である。 都営地下鉄三田線の神…

隠居Journal:神保町と私(1)回想(1)2006年7月:近ごろ嬉しい若者回帰

今日は映画を見る予定であったが、朝、友人から電話があり、いつもの如くお喋りしていたら、彼女の「神保町の美術誌専門の古書店で、井原西鶴展のカタログがあったけど」との言葉を耳にして、丁度ブログ発信している西鶴シリーズでビジュアル資料が欲しかっ…

隠居Journal:大手町ビルの思い出(7)何時しか都電で神保町通い

大手町ビル内のオフィス勤務も慣れて気持ちにゆとりが生まれてきた頃、大手町ビルの日比谷通り口から都電が走っていることを知って、時々、退社後にそれに乗って、田舎者よろしく、あちこち途中下車して沿線風景を楽しんでいたが、その内に、子供の頃からの…

隠居Journal:大手町ビルの思い出(6)残業飯で配達されたサンケイビル「今よし」の鉄火巻

私が勤務していた当時の計算センターは、キーパンチャーや、女性スタッフは急ぎの仕事がない限り基本的に残業をすることはなかった。 しかし、計算機を操作するオペレーター(男性)は、ローテーションを組んでの残業は定例であった。 というのは、受注計算…

隠居Journal:大手町ビルの思い出(5)定期購読誌を配達してくれた紀伊國屋書店の「熊さん」

現在は大手町ビルの1階の日比谷通り側に広い売り場を構える紀伊国屋書店は、当時は地下二階にそれほど広くはない売り場を構えていた。 とは言え、オフィスのビル内に大きな書店があるのは、私たちビル内に働くものにとっては、ランチタイム、休憩時間、ある…

隠居Journal:大手町ビルの思い出(4)(C.)と呼ばれた女性プログラマー

プログラムに.(ピリオド)はつきものだ。しかし私が働いていた計算センターでは誰もピリオドなどという回りくどい読み方はしない。皆(ポツ)と呼んでいた。 ところで、私がキーパンチャー室から卒業して計算センターの受付を担っていた頃、C.(シーポツ…

隠居Journal:大手町ビルの思い出(3)食券で不二家のケーキや小岩井のチーズを持ち帰れた頃

私が大手町ビルで働いていた頃は、ビルの地下2階が地下鉄丸ノ内線乗り場に直結していたこともあって、ビルの1階・地下1階・地下2階は松坂屋デパート、佐々浪ファーマシー、ペコちゃん人形でおなじみの不二家、小岩井パーラー、紀伊國屋書店、喫茶「ルオ…

隠居Journal:大手町ビルの思い出(2)「カムイ伝」「週刊少女フレンド」「週刊マーガレット」が並んでいたdebug room

私をキーパンチャーとして採用したのは、日本で唯一、IBMが1964年4月に発表したメインフレームコンピュータのシリーズであるSystem/360を備え、科学計算の受注を主としたコンピュータ・センターであった。 従業員は主として高卒のオペレーター、キーパンチャ…

隠居Journal:大手町ビルの思い出(1)屋上でバドミントンをしていた頃

手元にセピア色の写真がある。そこには大手町ビルの屋上でバドミントンをしている約60年前の私が映っている。 東京オリンピック開会式直前の1964年10月6日に、私は憧れの大手町ビル内の職場で働くことになった。 当時は、丸の内や大手町にオフィス…