独り善がり読書(8)「News weekアジア版」定期購読事始め

嘗て私は、20年以上に亘って「News weekアジア版」を定期購読していた。そのきっかけは、1985年に導入の男女雇用均等に伴う職系転換試験をパスするためであった。

 

その試験科目は、一般社会問題、ビジネス問題、そして英語の三科目で、第一回目の転換試験で英語問題に出くわしたとき、私は横文字を見ただけで頭がくらくらして、他の二科目は高い得点であったにも拘わらず、英語の試験結果は散々であった。

 

そのため、とにかく英語の力を急速につける必要を感じ、高い授業料を支払って退社時間後に英会話クラスに通うと共に、「News weekアジア版」の定期購読を開始し、毎日の往復の通勤電車でそれを読む事を習慣づけたのである。

 

その結果、第三回目の試験の英語科目で上司も目を剥く高得点を出して、目出度く試験をパスしたのだが、そういう動機から読み始めた「News weekアジア版」だが、その後は、日本人の視点からの情報だけではなく、アルファベット圏の視点から世界や日本を見る必要を感じて、定期購読を続けていたといったほうが良い。

 ところで、2005年11月21日号の「News weekアジア版」を振り返ると、グローバル経済で俄かに好景気に沸き立つアジア圏で急速に広がっている、「一日に1ドルか2ドルで暮らす最貧層の増加」を、カバーストーリーとして、詳しく取り上げていた。特に、インドネシア、中国、インドに最貧困層が急拡大しており、中でも、中国は今後、貧困が社会不安の大きな要因になるであろうと報じていた。

 


 そして、表面的には世界で一番貧しい地域はアフリカとうけとられているが、実態はアジアの方が人数の大きさからも、問題の根深さからも、貧困の度合いが大きいとも。

 グローバル経済には、眩い光の部分ばかりでなく、コインの表裏のように、陰の部分も急速に進行していることを、忘れるべきではないと、レポートは私たちに警告しているようだ。

 

ところで、今振り返ると、20年以上に亘って「News weekアジア版」を定期購読していた蓄積が、2004年の5月に60歳で定年退職した直後の6月末から始まり8月末に終了するハーバード大学のサマースクールに短期留学して、世界から集まった私の子供や孫の世代と机を並べて、低いレベルではあったが、互いに第二言語の英語でコミュニケートする機会に参加できたのだとつくづく思っている。