2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

後白河院と文爛漫(21)公卿も書く(16)『台記』(9)欠ける望

「通憲(後の信西)対して云わく、小僧の誤なり。謝罪するところを知らず。又云わく、閣下(頼長)の才、千古に恥じず。漢朝を訪うに比類少なし。既に我が朝中古の先達を超える。是の才我が国を過ぐ。深く危惧するところなり。今より以後、経典を学ぶなかれ…

後白河院と文爛漫(20)公卿も書く(15)『台記』(8)欠ける望

天皇が崩御するまで皇嗣が決まらないこと自体が異例だが、崩御の翌日に決定したのが立太子を経ない部屋住みの29歳の壮年天皇の践祚と、その息子の親王宣下と同時の立太子というのは甚だ異例であった。 自分亡き後の美福門院の先行を考慮した鳥羽法皇が、雅…

後白河院と文爛漫(19)公卿も書く(14)『台記』(7)欠ける望

前回述べたように近衛帝の后を巡る争いで美福門院と組んで頼長を出し抜いた忠通は、近衛帝の後継を巡って再び美福門院と組むことになる。 頼長の『台記』の仁平3年(1153)9月23日付は、関白忠通が眼病悪化を憂えて雅仁親王(後白河天皇)の王子(後…

風呂敷画学生の来し方2013-11

1) レッスン来し方 昨年3月から絵画教室に通い初めてデッサンに取り組みこれまで続けてきたが、ここで幾つかの習作を取り上げそれぞれの作品を振り返ってみたい。今回は上等な革製の襤褸バッグ。ここでは尋常ならざるボロボロ感を表現するのが鍵となった…