2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の周辺(70)寂蓮(17)仙洞歌壇(2)『老若五十首歌合』

次は「本歌取り」と想像力との関係に焦点を当てて、この歌合で女流歌人の越前と競って勝ちとなった寂蓮の次の歌を採りあげたい。 秋 125番 寂蓮むら雨の露もまだひぬ真木の葉に霧たちのぼる秋の夕暮【現代語訳:ひとしきり降った村雨が止んでまだ間もない…

新古今の周辺(69)寂蓮(16)仙洞歌壇(1)『老若五十首歌合』

そうこうするうちに、正治2年(1200)7月、後鳥羽院より「正治2年院初度百首」への詠進の沙汰があり、寂蓮は8月の終りに百首歌を提出、さらに閏10月に『仙洞(※1)10人歌合』に出詠、相次ぐ10月の『院当座五首歌合』では定家と共に判者を勤め、…