2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

後白河院と文爛漫(3)法皇も書く(3)玄人に教えを請われて

ある年の5月に、今様芸人の江口・神崎の遊女(※1)や、美濃の傀儡子(※2)が集まって仏前に花を添える法会を持った時、延寿(下図参照)が今様の大曲「恋せば」をまだ歌えないので是非御所様(後白河院)から教わりたいと誰彼に話していましたよと近臣か…

後白河院と文爛漫(2)法皇も書く(2)源清経のスパルタ教育

後白河院の筆になる『梁塵秘抄口伝集』の中でも、とりわけ今様の師・乙前の語りを元に浮き彫りにした西行の祖父「源清経」像は白眉だと私は読むたびに思うのだが、愛情の失せた今様の第一人者で乙前の師であった目井に対する嫌悪感とパトロン魂との壮絶な葛…

後白河院と文爛漫(1)法皇も書く(1)声わざの悲しきことは

ザ・バンドの解散コンサートライブCD「ラスト・ワルツ」を聞きながら、92歳の現役画家・野見山暁治著「続々アトリエ日記」を読む。独特の語り口に興を感じて最近ハマっているのだ。が、セクシーな声が流れてしばし中断。ああ、リック・ダンコが「ステー…