2014-01-01から1年間の記事一覧

りんご描分(完)、役者いろいろ

1) りんご描分(完)(1) ふじ何と言ってもりんごは「ふじ」。描いたのは青森県産の「ふじ」です。甘味と酸味がしっかりミックスして「りんごの王者」の風格があります。 (2) シナノゴールドりんご描分のトリは長野県産の「シナノゴールド」です。掌…

新古今の周辺(6)鴨長明(6) 師・俊恵(2)俊恵の秀歌

『無明抄 60 俊恵の秀歌』で鴨長明は彼の歌の師となった俊恵がみ吉野の山かき曇り雪降ればふもとの里はうちしぐれつつを、「かのたぐいひにせむと思ひ給ふる」と俊恵にとっての代表歌に挙げ、もし、後世に俊恵の代表作がはっきりしないようだがと問う人が…

りんご描分(4)、控室で

1) りんご描分(4)(1) ぐんま名月長野県産なのになぜか名前が「ぐんま名月」。「ふじ」と「あかぎ」からうまれたとかで、「あかぎ」が群馬にかんけいしているのでしようか。芳香と濃厚な甘味が楽しめるりんご。 (2) 陽光ゴールデンデリシャスの自…

新古今の周辺(5)鴨長明(5) 師・俊恵(1)師弟の契りにあたっ

『無名抄』の「俊恵(※1)に和歌の師弟の契り結び侍りし初めの言葉にいはく」で始まる「50 歌人は証得すべからざること」を読むと、長明が俊恵から歌の手ほどきを受けるにあたって、「歌という物はこのうえなく昔からの心得のうえになりたっているので、…

りんご描分(3)、氷雨にも負けず

1) りんご描分(3)(1) トキ先回は奇しくも長野県産のりんご描分でしたが今回は共に青森産で先ずは「トキ」から。色といい、姿・形といい、「たたずまいのあるりんご」とでも表現したいトキ。自己主張をしないやさしいたたずまいで、程よい甘さと酸味…

新古今の周辺(4)鴨長明(4) 父・鴨長継

鴨長明の父・長継に関する記述は、悪左府として名を残した左大臣藤原頼長の日記『台記』(http://d.hatena.ne.jp/K-sako/20130908)の久寿2年(1155)の4月20日付に見られ、この日頼長が下鴨神社に参拝して神官たちに迎えられたが、この時の禰宜の長…

りんご描分(2)、CM撮影現場

1) リンゴ描分(2)(1) シナノドルチェザルに二つしかおさまらない大振りなリンゴの「シナノドルチェ」はゴールデンデリシャスと千秋を交配して生まれた。品の良い甘味と酸味が程よく調和している。名前が示すように長野県産です。 (2) シナノスイ…

新古今の周辺(3)鴨長明(3) 青年歌人 『鴨長明集』

鴨長明は28歳と思われる頃自作の歌を中心に115首を収めた『鴨長明集』を編んでいる。そこで『鴨長明と寂蓮』(小林一彦 笠間書院)を引用して14首【現代語訳付】を採りあげ青年期の長明の心情を推し量ってみたい。 春しあれば今年も花は咲にけり散る…

りんご描分、ロケ弁の思い出

1) リンゴ描分「リンゴ追分」ならぬ「リンゴ描分(かきわけ)」です。通常はリンゴはリンゴとして意識しているが、つらつら眺めるとリンゴは多様な種類があり、それぞれ色・形・大きさなどが異なっている。そこで、透明水彩絵の具の初級者としては、色を習…

新古今の周辺(2)鴨長明(2) 青年歌人 晴れの歌合

『方丈記』と共に鴨長明が晩年に記した『無名抄』には歌人として初めて晴れの場に連なった時の冷や汗ものの体験を次のように記している。≪ 5 晴れの歌を人に見せ合すべきこと晴れの歌はかならず人に見せ合はすべきなり。わが心一つにては誤りあるべし。予、…

秋の果物が始まる、SNSと容疑者

1) 秋の果物かつては立春から数えて210日目に当たる9月1日頃を「にひゃくとうか」と称し、台風襲来を警戒しつつも秋の訪れを感じさせる節目としてきたが、台風接近の影響で今日は一日雨、10月になっても一向に秋らしさが感じられない。が、しかし、…

新古今の周辺(1)鴨長明(1) 新古今和歌集に10首入集

「新古今の周辺」を始めるにあたり最初に鴨長明を取り上げ、「方丈記」の怜悧な観察者とは異なった歌人長明の人間性を探ってみる事にした。先ずは「新古今和歌集」で「鴨長明(かものながはる)の歌」として入集されている次の10首を味わってみたい(和歌…

平飼いたまごとスモモ、画材屋さんで

(1) 生卵賛歌この夏は生卵さんに大変お世話になりました。火を使わず、アツアツのご飯にのせて醤油と混ぜるだけで栄養満点の逸品が仕上がるのですから。 6年近く「卵はご法度」で暮らしてきた私ですが、近年、「卵はコレステロール値を上げる犯人ではな…

高山きゅうりと茄子、ポール・シニャックの淡彩画

(1) 高山きゅりと茄子お初にお目にかかる高山きゅうり。群馬県高山村周辺の農家のお年寄りが自分たち用に細々と栽培して今に伝わる地這いきゅうりとか。珍しいので、茄子と取り合わせて描いてみた。高山きゅうりが巨大なので普通の茄子が小茄子に見える。…

馬子にも衣装、絵の値段

(1)馬子にも衣装先のとんがったミディトマトを幼稚園児が口を尖らせてお喋りする場面に見立てて描いて「ミディトマトの小田原評定」と名付けていたのだが、思い立って昔ロンドンのフリーマーケットで買ったミニ絵画の額縁から中の作品を取り除いてこれを…

陶芸セラピ、84歳の女流ピアニスト

1) スケッチブックから〜陶芸セラピ 古いスケッチブックには陶芸教室に通っていた頃に描いた手順のイラストが幾つかある。 40代に少人数の中高年だけの「余剰人員部屋」に配属された事があり、私は給料さえもらえれば時には「遊軍」もよいかと構えていた…

秋山先生と線描画、尋問か入国審査か?

1) スケッチブックから〜秋山先生と線描画 黄ばんでしみだらけの古いスケッチブックの中に「74 9/21」と記した長崎の風景を描いた線描画が3枚ある。長崎は尾道と並んで坂道の多い港町だが、唐風の墓地や南国の植物が異国情緒を醸し、思わず描きたくなる風…

散るも風情、西海岸点描(2)

1) スケッチブックから〜古希祝の芍薬全く花に縁のない暮らしをしている私だが、古希という節目に二度も豪華な花の到来を受ける事になった。 さて、頂いた大輪の芍薬(牡丹ではないよね?)、花瓶に飾って眺めながら、絢爛たる華やかさをどう描けばと思案…

古希祝いの花篭、西海岸点描(1)

1) スケッチブックから〜古希祝いの花篭 デッサンのレッスンに2年通ったが花を描く事はなかった。繊細で柔らかなタッチはどうも苦手で、花を描くのはもう少ししてからと周囲を煙に巻いていたのだが、先日の私の古稀をネタにしたささやかな宴で、仲間の一…

国産柑橘類(下)、ビザ三態

1) スケッチブックから〜国産柑橘類(下)(1) パール柑(熊本産) 文旦の一種で2個で1キロ。B6版スケッチブックに納めるための苦肉の構図。甘味と酸味がマッチして喉の渇きを潤してくれる。皮をピーラーで薄く向いて砂糖漬けに。残りはお風呂に浮か…

国産柑橘類、Tate Modern 他

1) スケッチブックから〜国産柑橘類(上)契約している食品宅配のカタログを眺めていると国産の柑橘で美味しそうなものが目についたので幾つか食べてみる事にした。今回はその前編。 (1) 日向夏(宮崎・熊本産) 甘さと酸っぱさが程々にミックスした果…

田舎パン、女王陛下、ダフ屋

1)スケッチブックから ミックスナッツとプルーン(Mix-nats & Prune)食後のお茶うけはミックスナッツ+α。このαがプルーン、胡麻煎餅、お魚チップス、チョコだったりする。一皿で終えたいと思いつつなかなかそうはいかないのが悩み。 田舎パン。行きつけ…

1) スケッチブックから〜淡彩画の試み 透明水彩画は色彩の透明感が命であるから色の塗り直しが利かず、色を塗り重ねる時は淡い色から重ねるという制約があり、さらに白の絵の具は不透明だから殆ど出番はなく、明るさを強調する時は紙の地を活かして塗り残…

風呂敷画学生の来し方 2014年3月

1) レッスンから 2012年3月15日からアトリエに通い始めて丸2年を迎える。アトリエの門を叩いた時は一年位の積りであったが、デッサン習作4作目の登山靴の出来栄えが思いの外良かったうえに、5作目の剥製カラスがその年の秋のアトリエ主催の展示…

風呂敷画学生の来し方 2014-02

1) レッスンから今回のデッサンモチーフは何とも懐かしい錆びた古アイロン。「このところ壁にぶつかっています」とぼやいた私に「それではこれを描いてみては」と講師が選んでくれたもの。 このモチーフのポイントはアイロンの鉄、台の木、背景のセメン、…

風呂敷画学生の来し方 2014-01

1) レッスンから 今回は法螺貝をモチーフにしました。殻を覆う流れるような動きを表現してみたかったからです。 描き始めの形を決めたところ。 完成図。今回は9回目のレッスンで仕上がるという長丁場になった。その間、自分では何度も完成と思ったが、講師…