2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

後白河院と寺社勢力(65)渡海僧(9)栄西3 乱世の流儀 1 宋

公家から武士へ、平家から源氏へと支配者が移り変わる激動の時代に、備中国・吉備津神社の一神官の出に過ぎなかった栄西が、二度の入宋を経て権僧正まで上り詰めて75歳で入滅した生涯は「乱世の処世」として見事という他はなく、そこで、一体何が栄西をここ…

後白河院と寺社勢力(64)渡海僧(8)栄西 2 三千年来の茶の薬

【茶は養生の仙薬なり。延命の妙薬なり】ではじまる『喫茶養生記』を著した栄西のの目に映った当時の日本の医療と養生の光景は、 【昔の人はあえて医療に頼らない方法で病気を治したのに、今の人は健康に対する配慮がいささか欠け、しかも、その医療といえば…

後白河院と寺社勢力(63)渡海僧(7)栄西 1 『喫茶養生記』と

【茶は養生の仙薬なり。延命の妙薬なり。山谷これを生ずれば其の地神霊なり。人倫これを採れば其の人長命なり】 これは、入宋二度の後に日本臨済宗の開祖となった栄西が著した『喫茶養生記』の序の出だしであるが、 【人、一期を保つに命を守るを賢しとなす…