独り善がり読書(20)2007.7.25 中国を多面から読む(1)邱永漢、黄文雄、ジム・ロジャース、春江一也の著作から

経営コンサルティングを生業とする友人の「中国は大きすぎて実態が掴めないからビジネスの対象として考え難い」との言葉を、一方的に臆病者と決め付けるわけには行かなくなってきたようだ。 これまで、中国は、その国土の広大さと人口の巨大さ、経済成長率、…

独り善がり読書(19)2007.7.20「週刊東洋経済」から 所得再配分が後手に廻る中国

中国は私にとって相変わらず関心の的であるが、それも、高い経済成長率といった表面的なものではなく、その高い経済成長率の内側で、一般の人たちはどういう状況に置かれているかについて、知りたい気持ちの方が強い。 で、今回も「女性と仕事の未来館」のラ…

独り善がり読書(18)2007.7.3「週刊東洋経済」から グローバル経済下の新しい常識

恒例の鰻ランチを共にした友人と赤坂駅の乃木坂寄りで別れて、一路田町の「女性と仕事の未来館」ライブラリーへ。 そして、いくつかの雑誌に目を通した中から特に印象に残ったのは「週刊東洋経済」6月2日号の「定説逆転 経済の新常識」からの以下の2点。 …

独り善がり読書(17)2007.6.27 「お金と暮らし」をテーマにした雑誌の走り読み

JR田町駅近くの「女性と仕事の未来館」のライブラリーが気に入って時々通っているのだが、この日は「お金と暮らし」に焦点を当てた「日経ビジネス」、「PRESIDENT」、「クロワッサン」の特集記事だけを走り読みしたので、ここでは、私にとって参考になった…

独り善がり読書(16)2007.6.7 私の情報収集拠点だった「女性と仕事の未来館」

情報収集の場所として一般的に先ず思いつくのは地域の図書館であろう。私の場合徒歩5分圏に充実した区立の図書館があり、他にも徒歩10~15分圏に3館あるので恵まれた環境といえるのだが、最近は時間潰しに来ている人が目立ち、居眠りしている人や、ぼ…

独り善がり読書(15)2007.5.16「THE GIG ISSUE」との初めてであるが良い出会い

緑の多い街路の散策とスタバのコーヒーを満喫した後の、大気に涼やかさを感じる遅い午後のJR国立駅で「THE BIG ISSUE」を売っている60代のホームレスの男性に出会った。 そういえば、何時だったかNHKスペシャルで、自立あるいは自分の住いを持つために「…

独り善がり読書(14)2007.01.01 写真家土門拳を取り上げた日経新聞から~赤貧洗うが如き生活を突き抜けた細菌学者の大らかさ

私の2007年の幕開けは老眼鏡の弦のネジ外れで始まった。はて、面妖な。 実は、2006年暮の29日は友人からの到来物の中古小形テレビのアンテナ設置をするためにドライバーとペンチで腹ばいになりながら作業し、ついで、大晦日は急いで届けさせたアル…

独り善がり読書(13)2006.7.27「覗き」?「恋の橋渡し」?はたまた「誘惑」?

私の井原西鶴探索もどんどん深みにはまって、さらに西鶴の生きた時代の風俗を知りたいものと、近くの区立図書館から「原色日本の美術全30巻」の中から、風俗画に関する浮世絵画集の2巻を、あまりの重さに、足をよろよろさせながら借りてきた。 じっくり眺…

独り善がり読書(12)2006.7.11「ダ・ヴィンチ・コード」ダ・ヴィンチの真意は如何に「最後の晩餐」の解釈

六本木の森アーツセンターギャラリーで「ダ・ヴィンチ・コード展」を見て、いくらか心を残していたのだが、その数日後に近所のbook-offのカウンターで、角川文庫の「ダ・ヴィンチ・コード」ダン・ブラウン著の上・中・下 各巻400円の値札を見て、思わず手に…

独り善がり読書(11)2006.06.18 日経新聞「経済教室」に見る中国の高貯蓄と米中経済摩擦

2006年6月8日付日本経済新聞の「経済教室」が、中国の経常収支黒字の膨張が、米国との経済摩擦を引き起こしているが、その主な要因に中国の家計貯蓄率の高さが挙げられると指摘している。 記事によると、中国の家計貯蓄率(家計貯蓄の可処分所得に占め…

独り善がり読書(10)2006.06.17 アメリカの節約の手引書「66 Ways to Save Money」のアドバイス

アメリカ国民は、先に楽しんで後で支払うというマインドが強いようで、低貯蓄率と借金依存体質が指摘されているが、2006年6月13日の日経新聞朝刊によると、借金依存度が益々深まっているようである。 特に、石油価格の高騰が、日本と異なり車社会で石…

独り善がり読書(9)2006.02.08 アカデミー賞ノミネート監督の本音の議論「News week」より

私が定期購読していた頃のNews weekは、毎年2月頃になると、アカデミー賞にノミネートされた俳優か監督たちを招いて、他の雑誌では見られない本音の議論で読者を楽しませてくれていた。 さて、2006年2月6日号では、その年のアカデミー賞の作品賞と監…

独り善がり読書(8)「News weekアジア版」定期購読事始め

嘗て私は、20年以上に亘って「News weekアジア版」を定期購読していた。そのきっかけは、1985年に導入の男女雇用均等に伴う職系転換試験をパスするためであった。 その試験科目は、一般社会問題、ビジネス問題、そして英語の三科目で、第一回目の転換…

独り善がり読書(7)「ルービン回顧録」~官民の人事交流、日米の違い

2005年11月頃に「ルービン回顧録」を読んだのだが、著者のロバート・ルービン氏は、ウオールストリートのトップ企業ゴールドマン・サックスの共同経営者から、クリントン政権発足に伴い新設された国家経済会議の議長に就任し、その後財務省長官を務め…

独り善がり読書(6)「being digital」and「The End of Work」

ところで、短期間のメンバーであった「Book-of-the-Month-Club」を経由して私が購入した本は、カズオイシグロの小説2冊、ペーパーバック小説数冊、そして「being digital」と「The End of Work」であったが、いずれにしても私の英語力で太刀打ちできるわけ…

独り善がり読書(5)ミケランジェロ還暦後の快挙 「The Sistine Chapel A Glorious Restoration」

「The Sistine Chapel A Glorious Restoration」は前回の「The White House Collection of American Crafts」と同様にBook-of-the-Month-Clubの特典で入手した一冊である。 この美術書は、バチカン美術館と当時のイタリア在住の日本人写真家、岡村崔氏(20…

独り善がり読書(4)ヒラリー・クリントンの置き土産「The White House Collection of American Crafts」

もう30年以上前のことだが、私は、アメリカが本拠地の書籍割引販売を売り物にした「Book-of-the-Month-Club」の短期間会員だった事がある。 その仕組みは、自宅に二ヶ月に一度の頻度でカタログが届き、その中から気に入った本を選び、申込書を航空便で送れ…

独り善がり読書(3)近所のBOOK-OFFで一冊105円の至福

2005年頃から、私は近所散歩のついでにBOOK-OFFに立ち寄るのが習慣になったが、その頃はスーパで買い物をすると同じ感覚で、店備え付けの買い物籠を抱えて、ポンポン本を買い込んでいる人が目に付いた。これは、BOOK-OFFが105円コーナーを設けて以来…

独り善がり読書(2)「吉原という経済圏」で生きる人々を活写した極上ミステリー「吉原手引草」

「吉原手引草」松井今朝子著(幻冬社)は、読者に、面白すぎて一気に読みたいが、他方で、選び抜かれた語り口から発散する蠱惑的な吉原の雰囲気をじっくり噛みしめたいので時間をかけて読みたいと迷いを起こさせる本である。 物語は、吉原一の全盛を謳われた…

独り善がり読書(1)モース主任警部のお国では補聴器は国民健康保険の対象!

2007年11月13日の日経夕刊の「早めの補聴器 不便解消」の記事に思わず目が行ったのは、遠からず私も直面する問題であったばかりでなく、「75歳以上普及率わずか一割」の小見出しに惹き付けられたからである。 というのは、私は「補聴器は国民健康保険の対象…

隠居Journal:神保町と私(9)回想(9)2012年11月:古書祭でピカソの素描集を

絵画教室に通い始めて半年経た頃、講師から年に一回開催される絵画教室主催の受講生の作品展示会に私が最近仕上げた、鴉の剥製をモチーフにした習作「狙いを定めて」を出品しないかと声をかけられて有頂天になり、友人に展示会案内を兼ねてメールで知らせた…

突然ですが、ロビー・ロバートソンを偲び映画「ラスト・ワルツ」の思い出

解散コンサートのライブ映画を見て熱狂的な「ザ・バンド」のファンになった私。特に、リーダーのロビー・ロバートソンが御大のボブ・ディランに向けたまぶしげな眼差しが今でも忘れられない。8月9日になくなったロビー・ロバートソンへ心からの哀悼を込め…

隠居Journal:神保町と私(8)回想(8)2011年11月「年7分2厘5毛」に目が釘付け

友人と週末に神田で飲む話になり、それではその前に、久し振りに神保町の古書漁りと、既に廃刊になった学燈社発行の『國文学』のバックナンバーが揃っている水道橋駅近くの「日本書院」で書棚をかき分けて、何とか目当ての三冊取り出して購入し、勇んで何時…

隠居Journal:神保町と私(7)回想(7)2007年8月 炎天下の小旅行 国立近代美術館から神保町へ

日差しのきつい日中は部屋に籠って読書と昼寝、散歩や買物は夕方5時過ぎから、これが2007年の真夏の私の生活のサイクルであった。つまり、晴耕雨読ならぬ暑読暮歩、自宅を中心として避暑地のように暮らせば、それなりに快適に暮らせる事を発見したのである…

隠居Journal:神保町と私(6)回想(6)2006年1月:岩波ホールで「二人日和」

私は、年末に京都を訪れて足の向くままあちこち歩き、三条河原町の古書店で古書を漁り、四条川原町や錦小路でお節を買い込んで、新年を京都で過ごす人達と入れ違いに大晦日に東京に帰って新年を迎えることを長年の習慣にしていたので、京都御所の近くの老舗…

隠居Journal:神保町と私(5)回想(5)2009年9月:定額給付金で身に過ぎたる古書漁り(2)

1人当り1万2千円の確定給付金を懐に第一弾の神保町古書漁りをしたのは5月のGW明けだった。 そして、第二弾として、残りの確定給付金を懐に神保町に古書漁りに繰り出したのは9月のSW(シルバー・ウィーク)初日だった。 ところで私は、シルバー・ウィ…

隠居Journal:神保町と私(4)回想(4)2009年5月:定額給付金で身に過ぎたる古書漁り(1)

GW明けにリーマン・ショック定額給付金(※)確定通知書なるものが届く。それによると2、3週間後に指定した口座に私の場合は1万2千円也が振り込まれるそうだ。 (※)リーマン・ショック定額給付金: 日本政府はリーマン・ショック後の2009年(平成21)…

隠居Journal:神保町と私(3)回想(3)2009年1月:八木書店で懐と相談

ブログで「後白河院」についてあれこれ書きまくるという、年来の課題にやっと踏み出したばかりだが、頭の中が煮詰まってきたので、何か材料はないかと久しぶりに神保町に足を向けた。世界はリーマンショックに打ちのめされ、我が国では消費者が節約と引き篭…

隠居Journal:神保町と私(2)回想(2)2007年8月:日本書房で「国文学」漁り

待望のひと雨後の涼しさ、これは「古書漁り日和」とばかりに、神保町の日本書房に行く。日本書房は、先日、神田古書店地図帖を私にくれた書店のご主人が、「神保町で唯一の国文学関係を豊富に揃えた店です」と教えてくれたお店である。 都営地下鉄三田線の神…

隠居Journal:神保町と私(1)回想(1)2006年7月:近ごろ嬉しい若者回帰

今日は映画を見る予定であったが、朝、友人から電話があり、いつもの如くお喋りしていたら、彼女の「神保町の美術誌専門の古書店で、井原西鶴展のカタログがあったけど」との言葉を耳にして、丁度ブログ発信している西鶴シリーズでビジュアル資料が欲しかっ…