2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

後白河院と文爛漫(18)公卿も書く(13)『台記』(6)欠ける望

政界復帰の父・忠実の強力な支援を受けて朝堂の頂点に昇り進めた頼長であったが、康治2年(1143)兄・忠通に嫡男(基実)が誕生したことで彼の前途に暗雲が垂れ込める。この時の頼長は24歳、47歳の忠通はその後に兼実・慈円など9人の男子を持つこ…

後白河院と文爛漫(17)公卿も書く(12)『台記』(5)欠ける望

「頂点を極めた御堂道長から下って5代目に当たる藤原頼長の『台記』は正に摂関家自壊の物語でもある」と先回述べたのは、専制君主・白河法皇の摂関家への支配力強化のみが崩壊の要因ではなく、忠実・頼長と忠通との間に展開されて周囲を辟易させた摂関家嫡…

後白河院と文爛漫(16)公卿も書く(11)『台記』(4)欠ける望

藤原頼長は保安元年(1120)5月に知足院関白藤原忠実の次男として生まれたが、その半年後の11月12日、父忠実は白河法皇によって内覧停止の宣旨を受け、翌年正月22日に内覧停止は解かれたが関白辞任に追い込まれ、代わって内覧宣旨を蒙り関白に補…

風呂敷画学生の来し方2013-10

閑居暮らしも板につき、また40代に読んだ井上靖著『後白河院』に触発されて以来、定年後のライフワークにしたいと思い続けてきた院政期の大立者『後白河院』を探求する「なんでも後白河院」プロジェクトを隠居journal(http://d.hatena.ne.jp/K-sak…