2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧
この長期にわたる異常な永長田楽について「まったく前代未聞」「その起こる所を知らず」「けだし霊狐の所為なり」と『洛陽田楽記』に記した大江匡房も、『濫觴抄』では、そのきっかけになった起因を嘉保3年(1096)3月7日に生じた「死穢」に係る事件…
(3) 嘉保3年(1096)5月〜7月 永長大田楽「この10余日の間、京の雑人、田楽をなし、互いに以て遊興す。なかんずく昨今、諸宮諸家の青侍下部等、皆以てこの曲をなし、昼はすなわち下人、夜はまた青侍、皆田楽をなし、道路に充盈す。高く鼓笛の声…
50余年に亘る藤原宗忠の長い日記『中右記』の中で特筆すべきもののひとつに「永長大田楽」と呼ばれる上は宮中から下は雑人に至る田楽の狂い咲きが挙げられる。因みに「永長」とは堀河天皇治世下の嘉保2年(1095)と承徳1年(1097)に挟まれたわ…