私たちツアーツアーメンバーは次の目的地ウィーンに向かうために、各々が宿泊したマリオット・ホテル特製のランチボックスを手に、ホテル近くの船着き場からクルーズ船に乗った。
ブダペストの真ん中を流れるドナウ川は、ドイツ・オーストリア・スロヴァキア・ハンガリー・クロチア・セルビア・ルーマニア・ブルガリア・モルドバ・ウクライナの10カ国を経て黒海に流れ込んでいる。
周囲を海に囲まれた島国に住む私にとって国境を越えるのは大仕事だ。先ず、旅客機に乗る為に近くはない国際空港に足を運び、煩雑な出入国手続きの為に、長蛇の列に並ばなければならない。
ところが、ドナウ川クルーズでの海外旅行では、出発地ブダペストの宿泊ホテルから徒歩数分の船着き場での出国手続き、到着地ウィーンでも船着場での入国手続きは実に簡単であった。
それだけではない。今回のドイツ、チェコ、ハンガリー、オーストリア訪問の大半が陸続きのため、移動はドナウ川経由を除いて小型チャーターバスであったが、マルチ・ビザの効力もあったのか、出入国手続きの簡易さはカルチャー・ショックであった。
クルーズ船上では、ドナウ川の豊かな流れと両岸の素晴らしい景観を楽しみながら、ツアーメンバーは小グループに分かれて寛いだひとときを過ごしていた。
そんな中で、私は年上の女性2人と打ち解けた会話を楽しんでいたが、定年退職した夫と一緒に参加した女性から「夫が定年後に半年ほど深刻な鬱病にかかって大変だった」と聞かされて、9年後に定年を迎える私も鬱病になるのであろうかと心配したことが忘れられない。

(隅田川クルーズ船のスケッチ)





