2016-01-01から1年間の記事一覧

彼方の記憶(3)嵯峨野民宿「厭離庵」の一幕

「物語 京都の歴史」脇田修・脇田晴子著(中公新書)は平安京以前の京都から平安京、鎌倉・南北朝・室町・安土桃山・江戸時代を経て幕末にいたる京都の移り変わりを権力者と市井の人々に焦点を当てて描いたものである。 「院政期」に深い関心を抱く私がこの…

彼方の記憶(2)ミケランジェロ還暦後の快挙

「The Sistine Chapel A Glorious Restoration」は前回と同様にBook-of-the-Month-Clubの特典で入手した一冊である。(http://d.hatena.ne.jp/K-sako+kankyo/20161217/1481942408)この美術書は、バチカン美術館と当時のイタリア在住の日本人写真家、岡村崔…

彼方の記憶(1)ヒラリー・クリントンの置土産

アメリカが本拠地の書籍割引販売を売り物にした「Book-of-the-Month-Club」を活用していた事がある。2ヶ月に1度の頻度でカタログが届き、その中から気に入った本を選び、申込書を航空便で送るとクレジットカードで決済し、注文した本は太平洋を波に揺られ…

新古今の周辺(48)源頼政(3)京武士歌人

平安時代に台頭した武士階級の中でも早くから京に昇り、いち早く公家貴族と積極的な接触を図り、強い絆を築いたのは源満仲の子、頼光・頼信ら清和源氏であった。【源頼政の直系略図】 源満仲→頼光→頼国→頼綱→仲政→頼政→仲綱なかでも源頼光が進出した中央政界…

レタスの塩昆布巻

私が20代の後半だったから1970年頃か、女友達3人と南房総の御宿海岸に海水浴に行った。私は金槌なのだが、浮き輪につかまって海水に漂うのも、何処までも広がる砂浜に寝そべるのも大好きで、それだけでOL生活のストレスは消えてゆく。何しろ若かっ…

(24)野菜のお話(5)レタス

新古今の周辺(47)源頼政(2)歌合

源頼政は大小取り混ぜて様々な歌合に積極的に参加して歌人としての名を広めたとされているが、そのなかでも主なものを挙げると下記のようになる。1 丹後守為忠朝臣家百首 2 木工権頭為忠朝臣家百首 3 右衛門督家歌合 久安5年6月 4 中宮亮重家朝臣家歌…

牛筋と葱のお好み焼

阪急グループが支配する梅田側がピカピカなのにJR大阪駅側が薄黒くすすけていた頃の冬の日、乗り継ぎの合間に腹ごしらえをしようと、そのくすんだビルの地下の飲食店街に足を踏み入れた。薄暗い迷路のような一角に目を凝らすと「牛筋と葱焼」の文字が目に…

(23)野菜のお話(4)葱

新古今の周辺(46)源頼政(1)勅撰和歌集と頼政

鴨長明が『無名抄』で述べているように、当代最高の歌人藤原俊成と俊恵から歌人として大いなる賛辞を受けた源頼政の歌は従三位(じゅうさんみ)頼政の名前で『新古今和歌集』に次の3首が採られている。巻 第三 夏 歌 267 夏ノ月をよめる 庭の面(おも)…

そのまんま、が、一番

宅配で取り寄せている薩摩芋(含安納芋)。ほっこりしていて濃厚な甘味。蒸すなり、茹でるなり、揚げるなり、チンするなり、お好みで。下手な味付けをしないでそのまんまお口へ。

(22)野菜のお話(3)素材を味わう薩摩芋

(薩摩芋) (安納芋)

隠居のHarvard Summer School 留学記(26)

2004年8月18日(水)【初めての単独プレゼンテーション】今日の午後のwork shopで初めて単独でプレゼンテーションを行った。これはwork shopの総仕上げとして、3人から4人でチームを組み、施設見学、Plenary Lecture Seriesでの教授の講義、グルー…

痒い芋

長芋も大和芋も「とろろ芋」と呼ばれる。私は「とろろ芋」は嫌いではないのだが、下拵えをする時の痒さに耐えきれず、洗う時も、包丁で切る時も両手にポリ袋をかぶせるので、ていねいで綺麗な仕上がりは到底望めない。何と言っても、とろろ芋の醍醐味は「と…

(21)野菜のお話(2)とろろ芋

(長芋) (大和芋)

隠居のHarvard Summer School 留学記(25)

2004年8月17日(火) 【De Revolutionibus】今日の午後のwork shopで台湾人ビジネスマンのC氏とのチームで「De Revolutionibus」のタイトルでプレゼンを行った。これは、Plenary Lecture Seriesでの、ニコラス・コ…

新古今の周辺(45)鴨長明(42)源頼政(2)俊恵の視点

それでは長明の師・俊恵は武士歌人の源頼政(※1)をどのように評価していたのであろうか。再び鴨長明の『無名抄』から見てみたい。「56 頼政歌道に好けること俊恵が申しますには、「頼政卿は人並み外れた歌詠みの名人です。かれは、心の奥深く歌の心を持…

ブロッコリーの火加減が分らない

「ブロッコリーは大嫌いだ、二度と食べない」と公言したためにブロッコリー農家から大量のブロッコリーを送りつけられて世界の話題となったジョージ・H・W・ブッシュ元大統領。他方で、子供の肥満防止キャンペーンで「好きな食べ物はブロッコリー」と模範解…

(20)野菜のお話(1)ブロッコリー

隠居のHarvard Summer School 留学記(24)

2004年8月14日(土) 【Web検索は体力勝負】あと一週間を残すのみとなったサマースクールだが、work shopで行うプレゼンは二つとなった。一つはPlenary Lecture Seriesでの教授のニコラス・コペルニクステーマにした講演に基づく「De Revolut…

新古今の周辺(44)鴨長明(41)源頼政(1)藤原俊成の視点

鴨長明は武士歌人の源頼政(※1)を藤原俊成と彼の師・俊恵が高く評価していることに注目して『無名抄』に記しているが、まずは俊成の視点から採りあげてみたい。「55 俊成入道の物語五条三位入道(藤原俊成)が申されることには、「俊恵は当世の歌の上手…

美味多々!!!

長崎といえば何といっても卓袱料理、特に東坡肉(豚の角煮)を楽しみにしていたので、先ず初日は卓袱料理と予約の電話をすると、どの店も4人以上で予約します、と、いう事で心を残して「ちゃんぽん」に方向替え。その、ちゃんぽんは、出汁の利いたスープにて…

(19)長崎紀行‘94(5)

ロシア料理「ハルピン」

ビードロ美術館

長崎は日本のガラスの発祥の地であるとともに、江戸時代にオランダ交易の唯一の窓口であった事から、ボヘミアンガラスや西洋のアンティークガラスが流入し、これらのガラス工芸品は「ビードロ」あるいは「ギャマン」として当時の大名や豪商に珍重された。そ…

(18)長崎紀行‘94(4)

「ビードロ美術館」へ向かう道。横断歩道を渡ると瀟洒な二階建ての建物に辿り着く。

隠居のHarvard Summer School 留学記(23)

2004年8月8日(日)【エネルギーを充電して】昨日は組織的に物事を奨めなければと思ったものの、疲れが溜まったのか結局一日中ぼんやりして、応募するエッセイのプロットを練る計画は結局おじゃんになった。どういうわけか頭の中が煮詰まって、考える…

新古今の周辺(43)鴨長明(40)歌論(12)「本歌取」の評価と

ところで優れた先人の歌の一部を自分の歌に取り入れる「本歌取」はどのように評価するのであろうか。それの一つのあり方を鴨長明は歌の師・俊恵の体験を通して『無名抄』で次のように述べている。「8.頼政の歌 俊恵選ぶこと建春門女院(※1)の殿上歌合(※…

国際墓地の街

長崎の街を歩いていて、日本風、唐風、洋風の国際色豊かな墓地があちこちに点在しているのに気づかされた。特に市電の起点「ホタル茶屋」近くの高台にあった唐風な墓地は風情があって印象的だった。それもそのはず、長崎は1571年(元亀2)にポルトガル…

(17)長崎紀行‘94(3)

長崎の墓地 ホタル茶屋近くの唐風な墓地

坂道を見ると何故か歩きたくなる

大型観光バスで阿蘇から長崎市に入ったのだが、その時に長崎市の地形が擂鉢状である事を初めて知った。だからこそ坂の多い街なのだ。私は坂道を見ると何故か歩きたくなる性分で、これが厄介なのは、夢中になってドンドン歩いているうちに行き止りの民家の住…