2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の周辺(61)寂蓮(8)出家を巡る贈答歌

藤原定長が出家をして寂蓮と称したのは34才の承安2年(1172)頃とされるが、それに先立つ承安元年2月15日に嵯峨の釈迦堂(清涼寺)を詣でた折に、彼の出家の戒師を務めたとされる静蓮(※1)に出家を約した折りに交わした贈答歌が『寂蓮集』に収めら…

新古今の周辺(60)寂蓮(7)歌人・中務少輔定長(4)『歌仙落書

承安2年(1172)成立したとされる『歌仙落書』は、歌林苑会衆の小侍従・殷富門院大輔・二条院讃岐を含む平安末期を代表する歌人20人の歌集を収めたもので、定長も「中務少輔定長」の名で最後に出詠した4首が収められ、この頃には既に歌人として評価…