2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

矯めつ眇めつ映画プログラム(41)「ペリカン文書」

一夜に二人の最高裁判事が暗殺された異常な事件の真相を、法学部の女子学生が仮説にまとめ、そのレポートを恋人の法学部教授に渡したことから殺し屋に追われる恐怖を描いたのが、アラン・パクラがジョン・グレシャムの同名小説を1993年に映画化した「ペ…

矯めつ眇めつ映画プログラム(40)「ロング・グッドバイ」

腹を空かせた愛猫に起こされ、眠い目をこすりながら明方のスーパーマーケットに餌を買いに行くマーローを冒頭から登場させて、ロマンの香り高い男の友情を描いて世界のチャンドラー・ファンを痺れさせた「ロング・グッドバイ」を原作とは似て非なる作品に仕…

矯めつ眇めつ映画プログラム(39)「カンザス・シティ」

ジャズ映画といえば故ロバート・アルトマン監督が出身地を舞台に1995年に撮った「カンザス・シティ」は全編これ黒人ジャズといった趣で忘れ難い。 時は大恐慌下の1934年、ルーズベルト大統領就任二年目のアメリカは腐敗政治が蔓延し、選挙投票日を明…

矯めつ眇めつ映画プログラム(38)「ラウンド・ミッドナイト」

「田舎の日曜日」で20世紀初頭のパリ近郊の豊かな田舎生活を描いたベルトラン・タヴェルニエ監督が、1986年に撮った「ラウンド・ミッドナイト」では、黒人差別や時代遅れを理由にジャズの本場アメリカから見放された大物ジャズミュージシャンを受け入…

矯めつ眇めつ映画プログラム(37)「田舎の日曜日」

「田舎の日曜日」は1941年フランス・リヨン生まれのベルトラン・タヴェルニエ監督が、まだまだ豊穣であった20世紀初頭のパリ近郊の田舎生を背景に、老いを自覚し始めた父と娘の愛情をきめ細かく描いた1983年の作品である。 1910年代のある日曜…

矯めつ眇めつ映画プログラム(36)「ミュージックボックス」

「Z」「戒厳令」「ミッシング」と常に重い政治テーマを取り上げてきたギリシャ出身のコスタ・ガブラスが、アメリカで平和に暮らすハンガリー移民の一家に突然降りかかるユダヤ人虐殺の嫌疑を巡り、極限状態における父と娘の愛情に鋭く切り込み1989年に監…

矯めつ眇めつ映画プログラム(35)「アンジップト」

チビで小太りの私はとても先端のファッションを着こなす体型とはいえないが、生まれながらの新し物好きで、ファッション雑誌でも相当の通が読むとされていた「流行通信」をかなりの期間、最寄り駅に隣接する書店から購入していた。ニューヨーク・コレクショ…