2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

新古今の周辺(73)寂蓮(20)仙洞歌壇(5)『正治院初度百首』

次に『新古今和歌集』(巻第五 秋歌下 469番)に採られてもいる寂蓮の秋部の「露」を歌材に詠んだ次の歌を採りあげたい。 物思ふ 袖より露や ならひけむ 秋風吹けば たへぬものとは 【現代語訳:露は物思うわたしの袖の涙から習ったのだろうか。秋風が吹…

新古今の周辺(72)寂蓮(19)仙洞歌壇(4)『正治院初度百首』

正治から建仁期(1199〜1203)は後鳥羽院の主導による仙洞歌壇が形成されていったが、その最初の催しが正治2年の『院初度百首』で、次いで同年の『院第2度百首』、翌建仁元年(1201)の『院第3度百首』と続き、特に『院初度百首』からは79…