2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

後白河院と文爛漫(15)公卿も書く(10)『台記』(3)武者も悪

頼長が内大臣に叙せられる直前の康治元年(1142)8月3日の『台記』に極めて注目すべき記述がみられる。「近年、南京衆徒乱逆最も甚だし。これにより、5月の頃より悪僧を勧学院に召し集む。(中略)召し取るところの15人、今夕摂政前左衛門尉為義(…

後白河院と文爛漫(14)公卿も書く(9)『台記』(2)雅仁親王と

保延3年(1137)12月25日、藤原頼長は鳥羽天皇の四の君・雅仁親王の「読書始」に奉仕して作文会の講師を勤めている。この時の雅仁親王は11歳、9歳年長の兄で在位中の崇徳天皇との間に二人の兄がいるが、二人して生来の身体障害者であり、また兄…

後白河院と文爛漫(13)公卿も書く(8)『台記』(1)菖蒲若から

太治5年(1130)正月3日、前関白・藤原忠実が偏愛する次男で11歳の菖蒲若(あやわか)を後見して、無事に「昇殿の儀」を遂げさせたのは『中右記』の著者・藤原宗忠であった。これに先立ち、宮廷人として殿上の簡(※1)に記される菖蒲若の名前の命名者…