隠居Journal:神保町と私(5)回想(5)2009年9月:定額給付金で身に過ぎたる古書漁り(2)

1人当り1万2千円の確定給付金を懐に第一弾の神保町古書漁りをしたのは5月のGW明けだった。

 

そして、第二弾として、残りの確定給付金を懐に神保町に古書漁りに繰り出したのは9月のSW(シルバー・ウィーク)初日だった。

 

ところで私は、シルバー・ウィークを、てっきり「老人週間」と思い込んでいたら、GWに次ぐ連続休日とか。どうしてこんなに休みが続くのか今でも理由が分からないが、次のSWは6年後になるというのをマスコミで知って「???」。

 

当初は、SW期間は人混みを避けて近所籠りと決め込んでいたが、待望の好天気に「そう云やあ、ブログで発信している後白河院シリーズの次のテーマの資料が不足している」などと口実を設けて、SW初日の19日に神保町に足を運んだ。

 

嘗て、神保町から駿河台にかけてのこの界隈は、パリの「カルチェ・ラタン」と比較されるほどの学生街だったが、一時かなりの大学が郊外に移転して、街の小シンボルとも言うべき「学生」と「教授」の姿が消え、そこに高齢化と後継者不足が追い討ちをかけて古書街にも寂れが見え、この先どうなるかと懸念したものだったが、今は、古書店も若い熱心な従業員が店を盛り立ててディスプレーなども工夫し、売る気満々の姿勢がどの店からも感じられる。

 

かつて神保町といえば典型的な古書好きが集まる独特の雰囲気の街であったが、今は、乳母車を押した若い夫婦、腕白盛りの子供連れの家族、お喋りに夢中な中年女性のご一行など、幅広い人たちが三々五々、ゆったりとした時間を愉しみ、また、シニア男性の一群が、店頭に積まれたクッキング・ブックをワイワイ嬉しそうな声をあげて一冊一冊ひっくり返している光景も微笑ましい。

 

 

 

さらに、かつて郊外に移転していた大学も、今は一段とスケールアップして戻ってきたばかりか、土地バブルの最中に進出したオフィス街がさらなる多様性を持ち込み、この街を「居場所」とする私には嬉しい限りだ。

 

 

で、この日に購入したのは、私が日本史上最たる乱世と位置づける「後白河院の時代」を掘り下げる上で貴重な下記の古書たち。つまり、あの時の私が最も知りたかったのは「乱世の時代に人はどう生きたか」であった。