2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

矯めつ眇めつ映画プログラム(34)「パリ、18区、夜」

「パリ、18区、夜」は、女性監督クレール・ドゥニが、1987年の老女連続殺人事件と絡めて、人種の吹き溜まりと呼ばれるパリ18区に暮らす人々を、マルチニック出身の黒人青年とリトニアから女優を目指してきた若い女性にスポットを当てて描いた199…

矯めつ眇めつ映画プログラム(33)「殺意のサン・マルコ駅」

「殺意のサン・マルコ駅」とはおかしなタイトルである。駅が殺意を抱くのかいな?などと揚げ足を取ってみたくなるが、それでも新聞の片隅の小さな広告に惹かれて映画館に足を運んだくらいだからキャッチ・コピーの役目を果たしていたのであろう。 この映画は…

矯めつ眇めつ映画プログラム(32)「ポロック」

日本の美術愛好家が印象派一色の時代に、敢えて現代美術の幟を掲げた西武美術館(セゾン美術館)に足繁く通ったおかげで、私はジャスパー・ジョーンズとジャクソン・ポロックの作品を知ることが出来た。 映画「ポロック」は、話題作「めぐりあう時間たち」で…

矯めつ眇めつ映画プログラム(31)「バスキア」

映画「バスキア」は、80年代ニューヨークのアートシーンに彗星のごとく登場しながら、失意のうちに27歳の若さで夭逝した天才画家バスキアを、ジュリアン・シュナーベル監督が1986年に描いた作品だが、バスキアの名前を知らなかった私が、この映画を…

矯めつ眇めつ映画プログラム(30)「愛する者よ列車に乗れ」

映画「愛する者よ列車に乗れ」は、パトリス・シェローが1998年に監督した作品で、亡き画家の「私を愛する者はリモージュ行きの列車に乗れ」の遺言に従って、かつて画家と関係の深かった人たちが、パリから同じ列車に乗って葬儀に参加するまでを、親子・…

矯めつ眇めつ映画プログラム(29)「知りすぎていた男」

アルフレッド・ヒチコックが1956年に「知りすぎていた男」を監督した時、田舎の小学生だった私が観ていたのは東映時代劇ばかりで、アラン・ラッドの「シェーン」を観る為に父は私を県庁所在地の映画館まで連れて行ってくれた。しかし、「先の事など、分…

矯めつ眇めつ映画プログラム(28)「フィフティー・フォー」

映画「フィフティー・フォー」は、70年後半から80年代の語り草となったニューヨークのディスコ「スタジオ54」で、音楽とダンス・麻薬とセックスに酔いしれる人々の狂気と熱気を、一人の青年の目を通して描いた、マーク・クリストファー監督の1998…

矯めつ眇めつ映画プログラム(27)「ビギナーズ」

映画「ビギナーズ」は、1958年のロンドンのソーホーで夜毎ジャズとダンスに明け暮れる若者の熱気を背景に、カメラマン志望の若者とデザイナーを目指す少女の恋の行方を描いた1986年のジュリアン・テンプルの監督作品である。 若い二人の恋物語は意地…

矯めつ眇めつ映画プログラム(26)「サブウェイ」

映画「サブウェイ」はパリの地下鉄構内を住処として、風変わりだが自由気ままに生きる人達を描いたリュック・ベッソンの1984年の監督作品である。 えっ、パリの地下鉄構内で暮らす人がいるの?それが、いるんですよね。金髪にタキシードを着こなした長身…

矯めつ眇めつ映画プログラム(25)「猫が行方不明」

パリの下町に住む若い女性が、久しぶりにバカンスに出かけるために近所の老婦人に飼い猫を預けるが、旅行から戻ってくると猫が行方不明になっていた。その猫を探すために日頃付き合いのなかったご近所の人たちも総出で町に繰り出す。 たったそれだけの話を、…