2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

後白河院と寺社勢力(79)渡海僧(23)道元 9 只管打坐

道元の凄いところは偉大な師・如浄に対して「この国に来て和尚に出会うとは真に宿縁の慶幸である。然るに時は人を待たず、正師に遭遇しながらこのまま帰国すれば後悔が残るだけ。これからは和尚に質問したいと思ったときには時候や礼装・略装に関わらず随時…

後白河院と寺社勢力(78)渡海僧(22)道元 8 究極の師:如浄

当時の禅宗における入宋僧の目的が、正師を求め嗣書(※1)による印可(※2)を授けられる事にあるとしたら、命がけで大陸に渡るだけでも大変なのに、主流や本流に満足しない道元のような僧ににとっては、広大な国土を遍歴しまわらなければならず、まるで江…

後白河院と寺社勢力(77)渡海僧(21)道元 7 権威よりも無名

やっと7月に天童山の入山許可が降り勇んで足を踏み入れた道元の眼を射たのは、山の傾斜地に段状態に配置された伽藍の様で、それは平地に建つよりも遙かに迫力に満ち、これまでの日本では見られなかった光景であった。 当事の天童山の住持は、かつて宋禅の主…