2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

矯めつ眇めつ映画プログラム(24)「銀行」

仏銀大手ソシエテ・ジェネラルの約7兆8千億円にのぼる巨額損失問題で、銀行トップが早々と元ディーラーの単独犯罪で組織的な関与は一切ないと宣言していたが、1月28日日経夕刊で、告訴された元トレーダーの弁護士が「ケルビエル氏は背信行為は一切して…

矯めつ眇めつ映画プログラム(23)「靴に恋して」

「靴に恋して」は、スペインの新進監督ラモン・サラサールが2002年に撮った作品で、マドリッドを舞台に、靴デザイナーを目指す若くて美しい娘の恋の挫折と立ち直りを縦糸に、夫の愛情を失い、精神不安に陥る度に靴を買いまくる上流階級の中年女性の揺れ…

矯めつ眇めつ映画プログラム(22)「アリス」

高給取りの優しい夫と可愛い娘との家庭があり、高級ブランドで身を包んで洒落たレストランで友人とお喋りをしても、何故か心が満たされない。映画「アリス」は、ウディ・アレンが1990年に監督した作品で、どこにでも見られる専業主婦の心の不安を、ニュ…

矯めつ眇めつ映画プログラム(21)「ドライ・クリーニング」

「読書する女」のミュウ=ミュウが、生活にくたびれた中年主婦を演じる「ドライ・クリーニング」は、美貌の女性監督アンヌ・フォンテーヌが、倦怠期のクリーニング店を経営する夫婦に襲った危機を描いた1997年の作品である。 スイス国境の小さな町でクリ…

矯めつ眇めつ映画プログラム(20)「読書する女」

「読書する女」は、フランスの、ミッシェル・ドビル監督の1988年の作品で、他人の家を訪問して本を読む事を職業にしている女性を描いたもので、1988年にミュウ=ミュウを主演に撮られた。 依頼主のために本を読むといっても、椅子に深く腰を下ろして…

矯めつ眇めつ映画プログラム(19)「厚化粧の女」

フランソワーズ・サガンの同名小説を原作にした、映画「厚化粧の女」は、エーゲ海を航行する豪華客船を舞台に、ブルジョワ階級の様々な人間模様を見せてくれるが、その中でも、金持ち女のジゴロになることを目論んで船に潜り込んだアントニー・ドロン扮する…

矯めつ眇めつ映画プログラム(18)「暗殺の森」

映画「暗殺の森」は、ベルナルド・ベルトルッチが1970年に29歳の時に監督して、彼の名を一躍世界に知らしめる事になった作品である。物語はヨーロッパのファシズム台頭を背景に、体制に順応してファシストとして生きることを選んだローマのブルジョア…

矯めつ眇めつ映画プログラム(17)「リトル・ダンサー」

映画「リトル・ダンサー」は2000年の作品で、ストの続発する炭鉱の町で、父も兄も炭鉱労働者という家庭に育ち、強い男になるためにボクシングを習っていたはずの11歳の男の子が、バレエダンサーになる話を描いている。 労働者階級の描写はイギリス映画…

矯めつ眇めつ映画プログラム(16)「ぼくの好きな先生」

「ぼくの好きな先生」は「ルーブル美術館の秘密」を撮ったニコラ・フィリベール監督が、今度はフランス中部のオーベルニュ地方の小さな村の小学校にカメラを持ち込んで、2002年に撮影したドキュメンタリー映画である。 この村のたった一つの小学校は、3…

矯めつ眇めつ映画プログラム(15)「パリ・ルーブル美術館の秘密」

ルーブル美術館、ボストン美術館、メトロポリタン美術館といった巨大で華麗な美術館を訪れる度に、一体この美術館の裏側はどうなっているのか、そこで働くのはどういう人たちで、どんな仕事をしているのかと思いを巡らしていた。 そして、その好奇心を満たし…

矯めつ眇めつ映画プログラム(14)「コーヒー&シガレッツ」

ジム・ジャームッシュ監督の黒白映画「コーヒー&シガレッツ」は、全編を通して、コーヒーを間にした二人か三人が、紫煙を上げながら会話するだけの11話から成るオムニバス映画だが、しつこく絡んだり、噛みあわない会話が延々と続き、何でこうなっちゃうの…