2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

矯めつ眇めつ映画プログラム(46)「木と市長と文化会館」

箱物さえ作れば地域が活性化すると思い込むのは日本の官庁や自治体だけではなさそうで、エリック・ロメールが1992年に監督した「木と市長と文化会館」は、文化会館を建設して街興しを目論む市長提案を、反対派が議論好きの国民性を発揮して、大人も子供…

矯めつ眇めつ映画プログラム(45)「緑の光線」

若い娘にとって、一緒に過ごす恋人や友人のいない長いバカンスがどんなに孤独でいたたまれないかを、内気でパッとしない一人のパリジェンヌを通して、エリック・ロメールが瑞々しい感覚で1986年に描いたのが「緑の光線」である。 待ちに待った夏のバカンス、…

矯めつ眇めつ映画プログラム(44)「黄昏のチャイナタウン」

ジャック・ニコルソンが1990年に監督・主演した「黄昏のチャイナタウン」は1974年にロマン・ポランスキーが監督した「チャイナタウン」の続編に当たり、ジャック・ニコルソンを主役に、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストンを配した前作に比較…

矯めつ眇めつ映画プログラム(43)「ハメット 」

「マルタの鷹」でサム・スペードを創作し、ハードボイルド小説の父と称されたダジール・ハメットを讃え、凝りに凝った映像でヴィム・ヴェンダースが1982年に監督したのが「ハメット」である。 時は1928年、大恐慌時代のサンフランシスコ、ピンカート…

矯めつ眇めつ映画プログラム(42)「ザ・インターネット」

今や生活インフラとしてなくてはならないインターネットだが、国家陰謀のプログラムを入手したことから命を狙われ、自分の個人記録を全て抹消されて国家の保護さえ受けられない女性が、一人で完全と悪に立ち向かう姿を描いたのが、アーウィン・ウィンクラー…