2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

青山橋、色みの合算、孤独・困窮・狂気の痕跡

1) アトリエから:青山橋 根津美術館の出口に面した通りを乃木坂に向かって歩いて出遭った青山橋。陸橋だがくすんだ緑のスタイリッシュなデザインが何故か絵心をくすぐる。2) 水彩絵具学(3)色みの合算 1.同じ色相同士の混色は他の色みの影響が薄ま…

新古今の周辺(12)鴨長明(12)歌合(4)優なる会

歌合も様々で、長明は優雅な歌合のありさまを師の俊恵の言葉を通して「無名抄 53 範兼の家の会優なること」に次のように伝えている。俊恵が語るには「宮中や摂関家などで催される晴れの場の歌合を別にすると、優雅さにおいて、近ごろでは範兼卿(※1)の家…

安納芋 混色理論

1) アトリエから鹿児島県種子島産の安納芋(あんのういも)を水彩絵具とパステルを用いて描いてみた。 安納芋は薩摩芋の一種で甘さが際立っていて、一番おいしい食べ方は天ぷらや焼芋だが、私は黒砂糖を少し入れてコンポートにして、シナモンパウダーをた…

新古今の周辺(11)鴨長明(11)歌合(3)判者の依怙贔屓

歌合に判者は不可欠だが、どんな名判者でも依怙贔屓をすることを、鴨長明は当時の歌人・顕昭(※1)の言葉を用いて『無名抄 61 俊成・清輔の歌の判、偏頗あること』で次のように伝えている。「この頃の歌合の判者として俊成卿(※2)と清輔朝臣(※3)は並ぶ…