隠居Journal:テナーサックスの響きが似合う丸の内仲通り

今年の1月21日の16時前頃、東京駅に隣接する丸の内オアゾのスタバを出て、丸の内仲通りに向かったところ、聞き覚えのあるサックスの音が耳に入ってきた。

 

「ひょっとして、去年のあの人かしら」と足を速めると、丸ビルと三菱商事ビルに挟まれた仲通りで見覚えのある男性がコートにマフラー姿で演奏していた。演奏している場所も黒いコートも昨年と同じ、違っているのはマフラーの色だった。

 

思わず駆け寄って「去年もいました?」と尋ねると、「ええ」と笑顔で応えてくれたので、昨年同様近くのベンチに座って身体でリズムを取りながらしばらく演奏を聴き、投げ銭を入れて軽く会釈して帰路についた(写真は2023年1月21日の演奏場面)。

 

 

昨年の1月8日、その日も16時前後だったか、丸の内オアゾのスタバをでて、返信用のお年玉付年賀はがきを買おうと中央郵便局の窓口に並んだものの「お年玉付年賀ハガキの販売は昨日で終りです」と告げられて、気落ちして出口から一歩出たところ、どこからか聞こえてくるテナーサックスの音に誘われて歩くと丸ビルと三菱商事ビルに挟まれた仲通りでテナーサックスの路上ライブに出逢ったのだ。

 

私の大好きなフユージョンジャズの調べだったので思わずベンチに身を沈め、リズムに合わせて身体を動かしながら心地よい解放感に浸ることが出来た。

 

そして、私は素敵な演奏に感謝して投げ銭をし、演奏者に軽く会釈をしてその場を去ったのだった(写真は2022年1月8日の演奏場面)。

 

 

そういえば、1970年代までの丸の内界隈は、愛想のないコンクリート・ジャングルで、殊に祝・休日には人通りもなく、「今車にひき逃げされても目撃者は見当たらないな」、「今心臓発作を起こして倒れても誰も助けてくれないな」などと、思いながら歩いたこともあった。それを思えば隔世の感がする。