五十肩・国会図書館断念・蜜柑の皮と椎茸干

干椎茸と陳皮つくり

 昨日はほぼ半日国会図書館に籠り、院政時代の公卿吉田経房の日記「新訂吉記」三巻と格闘した。月曜の午後だというのに広い閲覧室は席を探すのにも苦労する位だ。

「新訂吉記」三巻は、清盛という大黒柱を失い形ばかりの安徳天皇(幼帝)を擁する平家と後白河院のあやうい連携政権のもと、木曽義仲の大軍が刻々と都に迫る緊迫した状況の中で、右往左往する人間の姿が漢文の字面からも察する事が出来る。

吉田経房の筆は、平家が追討使の時は平家を官軍、源氏を逆賊と表現し、平家が西海に都落ち木曽義仲が都を制圧すると、源氏が官軍で平家が逆賊と表現を一転している。

圧巻は、木曽義仲の一行が延暦寺に入軍した時、後白河院が平家の総大将平宗盛を呼び、自らの限界を悟り西海に都落ちする宗盛の本意を確認した後「人質として西海の道連れにされては都が大混乱する」と瞬時に腹を括り、明方近く密かに御所から逐電して、延暦寺木曽義仲の懐にたった一人で飛び込むくだりと、一度は懐に飛び込んだ木曽義仲と対立した後白河院が、木曽義仲に幽閉されるくだりである。

天皇上皇は権力を狙うものにとっては常に格好の人質になりやすい存在でもあったのだ。

そして、このように変転目まぐるしい状況下で「もやはこれまで」と無常を感じて出家する公卿が続出するのも無辺なるかな。嗚呼!

と、後白河院木曽義仲に幽閉されるクライマックスのところでページを閉じて、返却時に「取置き」の手続きを終えて、今日も通う積もりであったが、五十肩を患う者にとって、書籍に目を走らせながらペンも走らせるのは最も避けるべき事で、今朝は肩が痛くて重いので2日後に出直す事にした。

で、今日は、椎茸と蜜柑の皮を干すに絶好の日和なので、ザルに載せてベランダで干す。最近の干し椎茸は天日でなく人工乾燥だからビタミンDは期待できない。それなら生椎茸を買って自分で干すほうが安全だし経済的で確実にビタミンDが期待できる。

蜜柑の皮を細断した自作陳皮は、既にわが食卓の常連と化し、その香りで私の食欲を刺激するばかりでなく、風邪予防の役も果たしている。

さて、私も日光浴とばかりに、午後は散歩としましよう。