隠居のHarvard Summer School 留学記(7)

2004年7月5日(月)

【大雨とカフェテリア】

アメリカ独立記念日翌日の今日は祝日なのに昼前からザンザン降りの大雨に。寮の窓から外を眺めると道路の凹みから水が溢れ出ている中を、傘から滴る水で背中をぬらしながらスニーカーで足早にカフェテリアに向かう学生たちが見える。

この調子だと傘を準備していない少なからぬ学生が足止めをくっているのではないか。傘を持参してきた私ですらこんな日にブランチのために徒歩10分のカフェテリアに出かける気がしないので、蜂蜜紅茶と買い置きのお菓子で凌ぐ事にした。願わくば、夕食までには雨が上がってほしいものだ。

本音を言えば折角の週末や祝日は天気に関わりなく部屋着のままで寮でノンビリ過ごしたい。カフェテリアまで足を運ぶとなると着替えなくてはならず、これが案外面倒なのだ。

そのうえ、最近はカフェテリアのメニューに食傷気味。さすがに農業大国だけあってお肉はドーンといくらでも食べられ、魚介類も豊富、野菜・穀物・豆に至っては日本でお目に懸れないほど種類が多く新鮮で、メニューも多国籍の学生に対応して多様だ。

が、如何せん全てが油っこく、味付けが単調、殆どの食品が冷たいのでほとほと嫌気がさしてきた。時には温野菜や熱々の煮込み、贅沢は言わないがしっかり「出し」の利いた味噌汁が飲みたい。味噌汁らしきものはあるのだが「出し」の概念が全く抜けているのだ。

カフェテリアのメニュー


2004年7月6日(火)

【ラモント図書館】

夕食後の散歩をかねてラモント図書館に立ち寄る。学校のガイドブックによると、サマースクール学生にはハーバード構内の幾つかの図書館と幾つかのコンピューターセンターが開放されている。ラモント図書館では入館時にプラスティック製の学生証をカード読取機に差し込むと金属製のバーが開いて中に入れる。

キャンパス内に幾つかある図書館の中でもこの図書館は充実した蔵書、閲覧室を備えているそうなので、これからマメに活用したいと思っていたが、日本語の新聞・雑誌をおいていないのは残念だった。

館内には膨大な書庫を備え、隣接した広いスペースには、ゆったりと寛げるソファを備えた閲覧室と、艶やかな飴色をした木製の机・椅子を備えた贅沢な学習室が設けられている。ここでは冷房が効いているので、狭くて冷房の備わっていない寮住まいの学生には大いに居心地が良いのか全ての席は熱心に調べものをしている学生で占められていた。

幾つかの雑誌に目を通して出口に差し掛かると、職員からバッグの中を見せるように要求されて少し驚いた。そういえば、広尾の都立中央図書館では閲覧室に入る前にバッグをロッカーに収納する事になっていた。また、都立だった頃の日比谷図書館では、新聞閲覧室はそのまま通れたが、雑誌閲覧室に入る時にバッグをロッカーに入れるように要求された。方法は異なるが、日米とも性善説で物事はすすまないようだ。

写真はラモント図書館