隠居のHarvard Summer School 留学記(17)

2004年7月24日(土)
【泣き言ではなく結果で!!】

今朝は雨のせいと、日頃の寝不足から8時半頃まで寝てしまった。疲れが溜まっても自然に眠れるのは良い事だ。疲れ果てても眠れなくなるサイクルに陥ると危険だ。気温の寒暖差が相当激しかったときも幸い風邪をひかずに済んでいる。体調は今のところ問題ない。何とかこのペースであと1ヶ月を乗り切りたい。泣いても笑っても4週間、正味16日だ。

このところ睡魔に襲われる日々が続いているが、日々新しい課題を与えられ、自分の能力の120%を求められているから、会社員時代のマンネリ感や、周囲のやる気のない人に対してイライラするといったマイナスのストレス要素は余り無く、疲れてはいるが精神的にはスッキリしている。

中には自分が優秀と信じ込んでそれを臆面も無く他人に披瀝する不愉快な奴もいないわけではないが、どうせあと1ヶ月足らずのお付き合い、学期が終われば世界中に散ってオサラバだ。

だから、こういう場では相手を非難し、泣き言を言っても始まらない。結果で自分の力を認めさせるしかない。先日の自信過剰学生と組んだプレゼンが良い例だ。優越感むき出しの傲慢な彼に対して私は日本人らしく穏やかに受け流していたが、土壇場でノートPC事情の疎さで窮地に陥った彼に代わって、用意していたペーパーで危機を切り抜けた事で、Mo先生が「今回はパニックに陥らず用意していたペーパーで切り抜けたことが一番」と皆の前で評価してくれた。

そして、担当のMa先生からは今回の穴埋めもあって、Integreated Classでの次のプレゼンでは私がやりやすい人と組ませるから名前を挙げるようにといってくれたので、私は「国連」のテーマで組んだ台湾人ビジネスマンのC氏の名を指名しておいた。勿論この事はC氏には内緒だ。

2004年7月25日(日)

【日本人学生の夕】

昨夜は、カフェテリアの地下にあるミーティングルームで、サマースクールに参加している日本人学生の懇親会があった。メンバーの大半は25歳以上を対象とするカークランドハウスの寄宿生で、英語研修プログラムの参加者だけではなく、他の専門コースに参加する学生も含め12〜13人が集まった。

同じカークランド・ハウスの住民とは言えこれまでほとんど顔を合わす機会もなかった人たちも多く、静かに会は始まったが、次第に隣同士から会話が始まり、私も隣の席の、サマースクール終了後はハーバードに近い大学のビジネススクールに進む男性と、「ボズ・スキャッグスBoz Scaggs」や「スティーリー・ダンSteely Dan」などの70年代、80年代の音楽談義で盛り上がった。

しばらくして、その男性と同じクラスの監査法人から公費留学で参加した男性が加わったのだが、彼らはビジネスコミュニケーション・プログラムで、MBAの教材を応用したケーススタディ中心の授業を受けているといっていた。私は研究職ではなかったが、定年までシンクタンクに勤務していたので、ケーススタディの話題は身近に感じられて、3人でまたまた会話は弾んだ。

その席上で、ある参加者の話から、医師の診断付きにも拘わらず、2日欠席した学生が学校退去を申し渡されたことを知った。それを受けて、他の参加者からは、学生が退去を通告されたのは、欠席だけではなく、熱意の欠如とか、授業中の態度とか、他の理由もあったのでは、という意見が出された。

懇親会は午後10時に散会した。幹事役の大学院生のY君が凄い気働きの出来る人で、全部お膳立てしてくれたのは頭が下がる。私にとってもこのところの失語症を返上して、久し振りに日本語で喋りまくれて精神衛生の面でも良かった。

写真はキャンパス近くの映画館。マルチ・スクリーン型で、マイケル・ムーア監督の話題作『華氏911』が上映中だった。