カフェで知る世相(1)70才で住宅ローンが組めるか?

品川の珈琲店で文庫本を読んでいると、隣席のシルバーヘアーの上品な女性二人の会話が耳に入って来た。

片方の女性曰く「離婚して子連れて出戻った娘と暮らす友人が、今住んでいる古い木造の一軒家を、住居と賃貸を併せ持つ3階建てのマンションに建て替えると言っているのだけど、70才の女性が住宅ローンを組めるのかしら?」と。

それを聞いた女性は「えっ、70才で住宅ローンを組むの。今はお仕事してないでしょ?」と、あっけにとられて聞き返していた。

離婚して子連れで実家に戻る女性は今や珍しくはない。当世の親は結婚した娘が出戻ることに寛容らしいし、特に都会は女性の働く機会も多く経済力もついているので、我慢して嫌な相手や婚家先に耐える必要もない。

されど女手一つで幼い子供を一人前に育てつつ、自分自身の老後を見据えた経済基盤を整えるとなると前途は容易ではなく、安定した定期収入を得るために自宅を住居と賃貸を併せ持つマンションに建て替える算段をするのは無理もないと思う。

が、どうなのかな、土地を担保に出来るとしても、果たして、70才の無職の女性に住宅ローンを提供する金融機関が現れるのであろうか。

私自身考えてもみなかったケースで、むしろ、私の方こそ、金融機関の対応を知りたい。