陽光降り注ぐ本郷裏町、ホーチミンシティ回想(完)

1) アトリエから:陽光降り注ぐ本郷裏町

本郷の坂道を上る途中で遭遇した光景。石段も屋根瓦もコンクリートもエアコンもそして何故か雨戸も燦々と降り注ぐ陽をうけて「様々な白色」に変化していた。

2)ホーチミンシティ回想(完) よく働き、よく買う人々
1.表通りの家は何かしら商売している

大型バスの窓から見たホーチミンシティの街の印象は、「表通りの家は何かしら商売している」と言うことだった。

傍から見ると「一体こんな物が売れるの?」「こんな商売で食べて行けるの?」と首をかしげざるを得ない店も少なくないが、とにかく何かしら商っている。

こういう風景はビジネスチャンスを窺う人々の眼には「流通業の近代化が遅れている」と映るかもしれない。しかし、この無秩序な猥雑さが、人々の交流する場を作り、人々の表情を動きのあるものにして、街のにぎわいを生み出しているのも確かではないか。

翻って、大型小売業進出の煽りを受けて、閑散としたシャッター街と化した我が国の駅前商店街を思う時、はたして、流通業界の近代化がホーチミンシティの人々にとって幸せかどうか考えさせられた。ま、投資家マインドに反するとは思うが。


(賑わう表通り)
 

              

旧正月(テト)を控えて満艦飾の商店街)


2.アメリカと闘っても通貨はUS$が一番

ベトナム通貨はドン(DONG)だが、桁数が大きすぎて私はドンに関しては金銭感覚が麻痺して、今でも全く理解できない。

旅行前に情報通から、ドンに両替して持ち込むよりも現地でドルを使う方が喜ばれると聞いていたが全くその通りだった。しかし、お釣りをドンで貰うので今では溜まったドンの扱いに困っている。

つまり、ベトナムでは投資家としての日本と日本人は大いに有難がられるが、通貨としての円は全く顧みられていない。

今や、ベトナムの人にとって自国通貨のドンよりも、かつての敵国アメリカの通貨、US$の方が大いに有難いのだ。

ここに「政治と経済は別」という本質を見る。


    
         
(抽斗に眠るDONG、ドン)