1) アトリエから:ホーチミンシティの女露天商
(ホーチミンシティの女露天商)
大して期待もしないで足を運んだ「パスキン」展だったが、女性を魅力的に描く彼の表現力にしばし足を留めてしまった。色彩も素晴らしかったが絵具の下から透けて見える素描からモデルの息遣いが伝わってくるのだ。
で、それに刺激されたわけでもないが、これまで後回しにしてきた人物素描(除く自画像)を試みたくなってホーチミンシティの女露天商に焦点を当てて描いてみた(上図)。
2007年に訪れたホーチミンシティは正に高度成長の真っただ中、行き交う人々の間に活気が溢れ、そんな彼らを相手に愛嬌のある女露天商が路上でスープ屋を営んでいた。彼女を囲んだ男女が美味しそうにスープをすすっているのを見て私も仲間入りしたかった。常夏の国では身体がトムヤンクウのような辛いスープを欲するのであろう。
2) ピカソ・マティス・パスキン「女性素描」競作
女性を魅力的に表現する素描ではピカソとマティスが双璧だと私は固く信じてきたが、これからはパスキンも加えることにした。そこで、三人の競作を試みる事に。
(ピカソ「花の冠を持つ女」『ATELIER 臨時増刊 ピカソ素描集 1936年』より)
(マティス「横臥するモデル」『世界の素描33 マティス』講談社 より)
(パスキン「ソファにうつぶせる裸婦」『パスキン展 愛とさすらいの旅路』朝日新聞社より)