描く人願望(2)「お絵描き帳」’74長崎 ロシア料理 ハルビン

  ロシア料理店なのに中国黒龍江省省都ハルビン」を店名にしているところが二重に異国情緒をかきたてる。当時は今や死後と化している「アンノン族」のホットスポットであり、その一翼を担っていた私たちもガイドブックに赤丸を記してワクワクしながら足を踏み入れた。



 「お絵描き帳」メモを見ると、柔らかくてコクのある「鮭の冷製」などを楽しんだようで、バター付パンに「塩漬胡瓜」を載せたのがとりわけ美味しかったようだ。ピクルスを載せたのではこの味は出ないとも書いている。

 そうそう、そのパンが余りにも美味しかったので、ナプキンに包んでホテルに持ち帰り、深夜に空腹を満たしたのだが、冷めても美味しさは変わらず、パンだけ食べても満足できる味だったのを思い出した。