外国と私(3)日米「ビザ免除」考

 2004年にハーバードサマースクールに入学する際の学生ビザ申請でアメリカ大使館に赴いた経緯は既に述べた(http://d.hatena.ne.jp/K-sako+kankyo/20120320/1332249023)が、
1977年12月末からの年末年始休暇を利用したサンフランシスコ・ロスアンゼルス旅行においてももビザが必要であった。

 古びたパスポートから当のビザを取り出してみると、有効期間が1977年12月12日から1981年12月12日までの4年間で、短期観光を意味するB−2が朱書されている。この時はパック・ツアーであったのでパスポート申請は自分で行ったがビザ申請は旅行会社に一任した。


 これを眺めていると、にわかに「「アメリカ短期旅行のビザ免除が何時から始まったのか」を知りたくなり、あちこちweb検索をしてみたが、外務省のサイトからもアメリカ大使館の日本語サイトからも求める答を得られなかったのだが、

 WIKIPEDIA(http://en.wikipedia.org/wiki/Visa_Waiver_Program)サイトを苦労しながら判読した限りでは、この「ビザ免除プログラム」は海外からの観光や商用での短期訪問(90日以内か三ヶ月以内)を促すため、そして国務省の資源をより高いリスクに集中する為にアメリカ議会が1986年に制定したとある。

 そして、イギリスの1988年7月の加盟に続いて同年12月に日本が加盟した事は日米の親密さを物語るものであり、アメリカと親交の深いヨーロッパは1989年10月にフランス、イタリア、オランダ、スウェーデン、スイス、西ドイツが、続いて1991年には他の多くのヨーロッパ諸国が参加している。

 アジアにおいては、1993年のブルネイ(14日以内)、1999年のシンガポール、そして2008年の韓国を含めて現在の同プログラムへの加盟は4カ国である。

 まことに興味深いのは、「ビザ免除プログラム」における日米それぞれの加盟国数と参加国の内訳で、

「日本の米国ビザ情報サービス」サイト(http://206.130.125.51/j/visa/tvisaj-waiver.html)によると、現在のアメリカのビザ免除プログラム加盟国は36カ国であり、対する日本の同プログラム加盟国は、外務省サイト(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/tanki/novisa.html)によると、61カ国・地域となっており、ここからは安全保障と経済関係の様相が透けて見えるように思われる。