雇用手当か年金か

K-sako2005-06-22

2004年5月末に定年退職するに当たって、その後の身の振り方をかなり前から考えていた。私の場合満60歳の定年退職と同時に厚生年金受給資格が生じるので、企業年金と併せると、家計管理をきちんと行えば、ささやかな楽しみを持つ暮らしは可能と見通しを立てていた。

退職手続時、会社の人事担当は「貴方の場合は、年金額よりも雇用手当額の方が高いはずだから、まずそちらの手続をした方が良いのではないか。年金は課税されるが雇用手当は課税されないので、それだけでも雇用手当の方が得だ」と親切に進言してくれた。

実のところ、私は、定年退職者には雇用手当の支給は無いと思い込んでいたので、雇用手当受給の事は念頭に無かった。その上、退職直後に2ヶ月間に亘るハーバードサマースクールへの留学を決めていたので、期間延長などを含め、雇用手当をうける手続はややこしいものになっていた。

退職日の翌日に社会保険庁の麹町事務所に出向いた私は、窓口担当の男性に、人事担当者の進言を引き合いに出すと、その男性は「貴方の場合は年金額の方が多いですよ。それにあれこれ切り替えていると、手続から生じる空白期間中は、どちらからもお金が出ないことになる。手続の煩わしさだけ考えても、今ここで年金手続しておけば、二ヵ月後から年金の振り込みが始まるので楽ですよ」と、親切で、明快なアドバイスをくれた。

そして2ヵ月後、ハーバード大学寄宿舎の自分の部屋で、私はパソコン画面から厚生年金の口座振込みを確認して、ニンマリしたのである。

写真は年金あれこれ資料