児童公園の隣のアパートに住む事

そして話は1年後の雨が激しく降りしきる真夜中に飛ぶ。住んでいるアパートに隣接する児童公園で、二人の若い酔っ払いが大声で喧嘩をしていてなかなか寝付かれなかったのだが、何とその片割れが公園とアパートの間に植えている木を伝って私の部屋の窓に近づこうとしているのだ。

児童公園の煌々としたライトに照らされて、ずぶ濡れになりながらヒトデのように両手を大きく広げた男の影絵のような姿を見た時は心臓が止まりそうだった。110番しようにも電話機が男の姿が映っている窓辺あるので怖くて近づけない。

で、これまで一度も言葉を交わした事もない奥の部屋の女性のところに逃げ込んで彼女から110番してもらった。程なく若い酔っ払いは御用となったが、私はその日から3日間は友人の家から会社に通い、早々と新しい部屋を見つけて逃げるように引っ越した。