馬子にも衣装、絵の値段

(1)馬子にも衣装

先のとんがったミディトマトを幼稚園児が口を尖らせてお喋りする場面に見立てて描いて「ミディトマトの小田原評定」と名付けていたのだが、思い立って昔ロンドンのフリーマーケットで買ったミニ絵画の額縁から中の作品を取り除いてこれを入れたところなかなか見栄えがする。




ならばと、若い頃にCGアーティストの友人から貰って画材屋で額装していた額縁から友人の作品を取り出して先日描いた芍薬の絵を入れて見たところこれも作品がグーンと引き立つ。
馬子にも衣装!!!。



(2)絵の値段

先日は日本橋三越で催されていた三越と芸大主催の「夏の芸術祭2014次代を担う若手作家展」に足を運んだ。サイトによると「大学院在学生以上で、40歳未満の東京藝術大学出身作家による選抜展です。日本画、油絵などの平面作品から、彫刻、工芸などの立体作品まで、各作家1点、現役教授陣が推薦した総勢約200名の作品を美術フロア全体で一堂に展覧いたします。」との趣旨で、私は絵画だけをじっくり眺めた。

展示作品は70万円台から4万円台の値札が付き、幾つかは売約済であった。また、画商やギャラリーオーナーあるいは個人の買い手と作家との仲立ちの機会も提供しているようで「作家来場中」と示された作品も幾つかあった。

ところで私は最近まで「三菱商事アートゲートプログラム・チャリティーオークション」(http://www.mcagp.com/)に足繁く通っていたが、これはアーティストを志す現役学生へのキャリアを後押しするもので、作品発表の機会が少ない若手アーティストにその場を与え、オークションにかけられた彼らの作品の売上金はプロを目指す学生の奨学金に還元するという主旨で持たれている。

ここでは最初に作品を伴った作家と参加者の交流の機会が持たれ、その後で一つ一つの作品について作家が作品への思いを語った後で買手同志が1万円刻みの価格で競り合う仕組みになっていた。

当初は若手作家との交流やオークションの雰囲気そのものを楽しんでいた私であったが、回を重ねるうちに作風が気に入り頻繁に言葉を交わす作家も現れて、遂には気に入った作家の作品を8万円で競り落として部屋に飾っている。

一般的にオークションの場合は買い手同志が競り合って値段が決まるので、その値段は買手にとって納得できると思われる。

ところで、上記の「夏の芸術祭2014次代を担う若手作家展」の作品価格はどういう仕組みできめられたのであろうか。少ないオークション参加の経験を通してあの会場で私が感じた事は、表示価格がもう少し安ければ売れたかもしれない作品や、表示価格よりもっと高く売れた作品があったのではないかということ。