彼方の記憶(14)Sales Tax Holiday

先回に引き続いて2004年のハーバード大学サマースクール留学時のお話。

サマースクール終了を一週間後に控えた8月15日、私が学生寮からケンブリッジに滞在している日本人の友人に電話をすると、電話口に出た彼女のご主人が「今日はSales Tax Holidayだから州税はかかりませんよ」と、開口一番教えてくれた。

早速、行きつけの全国チェーンのドラッグストアに駆けつけると、店内には「Sales Tax Holiday」と太い朱書きのプレートが掲げられていて、レジの前は長蛇の列。

アメリカは州によって税率が異なるが、あの頃のマサチューセッツ州の消費税に当たるSales Taxの税率は6%位だったから、一品2500ドル以内の商品は非課税というこの日にまとめ買いをすると結構なお金が節約できる。

私の方は帰国を控えていたので、荷物にならない範囲で、デンタル用品と清掃用具を買ったが、多少なりとも「今、買わなきゃ損」という空気に煽られたことは否めなかった。


   

何事もアメリカが良いと言うことではないが、外食を除く食品と一定額(現在は175ドルか)以下の衣料品の消費税は非課税で、さらに、Sales Tax Holidayを設けるといった仕組みは日本の税制に取り入れてほしいと、当時5%だった消費税が8%に増えた現在、痛烈に思っている。