正しい夏バテ対策とは

25歳頃、西武池袋線沿線の六畳一間の賃貸アパートに住んで2度の夏を過ごした私であったが、夏になると決まって夜中に腹痛・下痢を起こし、駅前の病院に駆け込む羽目になった。診断名は決まって:「大腸カタル(※1)」。

「貴方の様な胃の強い人ばかりだと私たちが失業する」と内科医から言われるほど胃の強いはずの私が大腸カタルとは??

一般的に、夏の盛りは暑さで体力が消耗するのでスタミナ補給が必要とされる。で、私の場合の夏のスタミナ補給は決まってしぎ焼(※2)だった。それも、茄子の他に豚肉とニンニクを加えて濃い味噌味で仕上げ、冷えたビールと一緒にガンガン食べた。

どうやら、それがいけなかったようだ。夏バテで体力が消耗しているという事は消化力も落ちている。そこに油濃い料理と冷えたビールをじゃんじゃんおくりこんだことから、腸に大きな負担がかかり炎症を起こしたという訳。

私は大腸カタルを2度経験して「内臓に負担をかけない食事こそ最良の夏バテ対策」という事を学んだ。

(※1)大腸カタル:大腸炎に同じ。大腸の炎症。殊にそのS字状部に起こり下腹部の疼痛と頻繁な下痢とを伴う。

(※2)しぎ焼:茄子に油を塗って火であぶり、または油で炒め、味付味噌をつけた料理。