彼方の記憶(5)身内の嫉妬を買う公務員年金

2006年頃の都内のスタバで嫌でも耳に入って来た女性同士の会話。

(その1) 初老の女性と40代とおぼしき女性の会話

初老の女性の母親と同居していた独身の姉が、母親が亡くなった後に遺産を勝手に処分して、その売却金を適当に兄弟姉妹に配分して、本人はさっさと快適な住いを購入して頻繁に海外旅行にでかけているとかで、「姉さんは厚労省に定年まで勤めていたくらいだから抜け目が無く、おまけに公務員年金をたくさん貰って良い暮らしをしている」とぼやいていた。

(その2) 30代とおぼしき主婦同士の会話

片方の主婦の、中央官庁に勤めていた叔父さんは何度も天下りをして、その度に高額の退職金を手にした挙げ句に退職後は公務員年金で豊かに暮らし、妻である叔母さんは度々オーストラリアへテニスの合宿に出かけて生活を楽しんでいるとかで、「本当に叔父さん夫婦はいい思いをしている。私なんか生活費を切り詰めるためにスポーツジムを辞めたのに」と、不満たらたら。

静かに読書をしたいとカフェに入るも、近隣席の生々しい打ち明け話や愚痴のために、しばしばそれが妨げられる事がある。特に、身内への嫉妬となると激してくるようで、この日は立て続けに公務員年金に対するやっかみを聞かされる羽目になった。