隠居のHarvard Summer School 留学記(25)

2004年8月17日(火)
【De Revolutionibus】

今日の午後のwork shopで台湾人ビジネスマンのC氏とのチームで「De Revolutionibus」のタイトルでプレゼンを行った。

これは、Plenary Lecture Seriesでの、ニコラス・コペルニクスに関するハーバード大教授の講演「THE BOOK NOBODY REAL」の理解をより一層深めるためのもので、この講演に関連した10近いテーマをMo先生が設定してホワイトボードに列記し、やはりMo先生がランダムに組み合わせたチームにそれらのテーマを割り当てて、プレゼン発表をすることになったもので、私は幸いにもC氏と組むことになり内心ほっとしたのだった。

しかし、いざプレゼンの準備を始めてみると、与えられたテーマの「De Revolutionibus」が一体どういう意味なのかC氏も私も全く分からず、なにやら雲を掴むようなスタートであった。しかも、アルファベット圏の学生たちは違和感もなくスムーズに準備を進めているようなので、彼らの間では日常化している言葉の様だった。

C氏と私は、コンピュータールームでweb検索して山のような情報と格闘するうちに、「De Revolutionibus」が、ニコラス・コペルニクスが仏語で著わした著書のタイトルであること、当時の教会や権力者の批判を恐れた出版社がこの著作を彼の死後に出版したにもかかわらず発禁の書となったばかりか、つい最近まで激しい議論の的になっていたことが分かった。

私はこれまで「Revolution」は革命とか革新という意味を持つだけの言葉だと長年思い込んでいたが、天体の運行・回転・自転という意味も含むことをこの時に初めて知った。だから、アルファベット圏の学生には自明のことであるが、われら漢字圏の学生は認知していなかったのだ。

いずれにしても、今回のプレゼンは、可能な限りシンプルな構成にして、自分たちの言葉を用いようとC氏と意思統一した。その方が、内容を暗記し易いので、いつも学生間の相互評価で私が指摘されるアイ・コンタクト(聴衆と目を合わせる)も可能になるし、明確な発音にも注意を払い易い。

とはいえ、山のような情報を整理して、簡潔な自分たちの言葉に置き換えるのは結構大変だったが、今日行ったプレゼン結果では、私たちのチームは比較的良い評価を得られた。しかも、いつも私のプレゼンの批判について回っていた発音についても、「クリアーになった」という評価も得て、C氏と私は、ほっと顔を見合わせた。

写真はプレゼン資料の前半部分