美味多々!!!

長崎といえば何といっても卓袱料理、特に東坡肉(豚の角煮)を楽しみにしていたので、先ず初日は卓袱料理と予約の電話をすると、どの店も4人以上で予約します、と、いう事で心を残して「ちゃんぽん」に方向替え。

その、ちゃんぽんは、出汁の利いたスープにてんこ盛りの野菜やイカ・タコ・貝・練物などからでる旨味がじっくり染みこんで忘れがたいものになった。この美味しさは中華街のように専門店が密集して互いに凌ぎを削って生みだしたものであろう。

二日目の夜はロシア料理店なのに中国黒龍江省省都を店名にしている異国情緒あふれる「ハルピン」。

ロシア料理とくればサーモンだが、「鮭の冷製」は舌の上でとろけるような柔らかさだった。バターを塗った自家製のパンに塩漬け胡瓜を載せてバリバリかぶりつくと幾らでも食べられる美味しさで、あれはピクルスでは出ない味だと思った。

忘れてならないのは「吉宗(よっそう)」の蒸鮨と茶碗蒸。あの時は下足番のおじさんがいたような気がするが、銭湯のように靴を脱いで階段を上がって2階の大広間の薄縁に並べられた座布団に座って、大振りの碗にたっぷりの熱々の茶碗蒸と蒸鮨を心ゆくまで味わった。

当時の日記には「大振りな茶碗でたっぷりなのが良い。アツアツなのが良い。卵の固まり具合が(固まり過ぎない)何ともいえず良い。だしが薄味でさらっとしていて、それでいて、適度にあぶらがのっているのも良い」と茶碗蒸しを褒め捲っている。