隠居のHarvard Summer School 留学記(18)

2004年7月27日(火)
【プレゼンで「ラルフ・ネーダー」を取り上げる】

今日の午前のIntegreated Classの授業で台湾ビジネスマンのC氏と組んでアメリカの消費者運動の大物リーダーだったラルフ・ネーダーをテーマにプレゼンを行った。

この数日来私たちのIntegreated Classでは「アメリカの公民権運動の導火線となった1955年アラバマ州モンゴメリーでバス運転手の命令に背いて白人に席を譲るのを拒んだ黒人女性が人種分離法違反で逮捕された事をきっかけに大きな公民権運動へと発展したドキュメンタリー」VTRを観たあとで、様々な市民運動市民運動活動家をテーマにグループ討議を行った。その席で私は1970〜80年代に強力なリーダーシップで消費者運動を牽引し日本にも大きな影響を与えたラルフ・ネーダーについて話したのだが、世代の違いか、クラスメートで彼を知っている人は誰もいなかった。

そして、その仕上げとして2人1組で市民運動あるいは市民活動家をテーマにプレゼンテーションを行うことになり、私は台湾人ビジネスマンのC氏と組むことになった。早速二人は時間外のスタバで打ち合わせをして、誰をテーマにするかを話し合ったのだが、C氏に具体的な名前が思い浮かばなかったので、それではむしろ周囲の人が知らない活動家をテーマにするのも悪くないのではとの私の提案でラルフ・ネーダーに決まったのであった。

私としてはプレゼン経験も少し重ねて来たので、今回はチームワークの試金石とまでは行かないものの、共同作業としての一つのモデルを作ってみたいという気持ちが生まれていた。それにC氏と私ならそれぞれ最新のソフトを搭載したノート・パソコンを携行しているので、毎日時間外にコンピューターセンターで顔を合わせる必要もなくそれぞれの寄宿舎での作業も可能だ。という事で、今回はpower pointを使ってプレゼン資料を作ることにした。実はpower pointを実際に使うのは私にとっても初めての事だった(下図はプレゼン資料の一部)。

           

今回はこれまでとは違って呼吸のあったチームワークで取り組めた私たちのプレゼン発表は、収集した資料の難しい表現をそのまま使うなど、消化不良の面もかなりあったが、Ma先生からは、周囲に知られていない人物を敢えて取り上げた積極性を評価してもらえた。

因みに他のチームは「マーチン・ルーサー・キング」、「ガンジー」、「孫文」、「マリア・テレサ」、「アメリカの銃社会反対運動」をテーマに取り上げていた。


2004年7月29日(木)
【胸突き八丁の折り返し点】

一息つくというわけではないが、明日の午前の授業は他チームのプレゼン発表を聞くだけなので、まあ、息抜き。今朝は寒さと睡眠不足が重なって風邪気味で眠くて起きるのも大変だった。

それで予ねてから誘いのあった、今夜のボストンポップスの無料演奏会、会場がチャールズリバー河畔の風が強い場所ということもあり、パスする事を考えていたところ、ちょうど、Sさんから電話があった。どうやら悪天候の為、演奏会が明日に順延になり、その時に私の体調が良ければ、一緒に出かけるという事にした。

サマースクールも1ヶ月を終え、胸付き八丁の厳しい時だ。今夜は早めに寝れば体調が回復するかもしれないので、明日早起きして予習をすることにした。

我々学生側にも疲れが出てきているが、教える側にも疲労が目に付く。特にMo先生はかなり疲れているようで、時々エネルギー切れで自ら休憩を切りだすことがある。

他のプログラムの事は分らないが、少なくともこの英語研修プログラムに関しては、学生側は宿題・課題・予習と大変だが、教師の側は、授業に使う多彩な教材の作成はもとより、全ての生徒の提出物に注意深く目を通し、一人一人に痒いところに手の届く懇切な添削をして返却するのであるから、要求される集中力とエネルギーは学生の比ではない。

学生に無欠席、無遅刻を要求するという事は、教師自身もそうあることを要求されている。その上彼らは、サマースクール機関の上層部からしっかり管理され評価されているだけでなく、生徒の側のフィードバック評価にもさらされているのだ。教える側も教わる側も共に今は胸突き八丁に差し掛かっている。

写真は、キャンパス内のWidener Libraryのホールと閲覧室