隠居のHarvard Summer School 留学記(8)

2004年7月7日(水)
【使い勝手の悪い英文法教科書】

今日から英文法の授業が始まった。元々英文法は大の苦手だったところに教科書(下図)の編集が良くないので、関係個所を追っかけるのに頻繁にページを繰らなければならず、それに気をとられてとても授業内容を理解するどころではない。教科書の使い勝手が非常に悪いとMa先生に愚痴ると彼女も同意見だった。

だからと言って私の能力不足を正当化できるわけではない。自分では予習に相当時間をかけた積りであったが、授業のテンポに追いつけず教科書の字面を追うのが精いっぱいで、授業内に課題を仕上げるまでに至らなかった。

【コミュニケーションは口を開く事から】

このところカリキュラムの難易度が増し、かつ、授業のテンポも速くなってきて私には厳しい状況が生まれている。しかし、回数を経るごとにクラスメートとのコミュニケーションは少しずつ滑らかになってきた。ディスカッション主体の授業が多いから、ともかく、口を開かなければ何も始まらないわけで、その結果、相互理解が進むということか。


閑話休題(1)涙ぽろぽろ Three-Minute Essay
あれから10年以上を経ているのに、いまだに忘れられない懐かしくもほろ苦い思い出をエピソード風にまとめて日記の合間に挿入することにした。

サマースクール開講間もない6月30日から数回に亘って「Three-Minute Essay」を提出させられた。

「Three-Minute Essay」とは、その授業に関して次の三項目(1) I learned:(2)I am not clear about:(3)I want to know more about:について記述すべきフォーマットが授業開始時に配布され、終了後に提出した者から教室を退出できるという課題である。

突然にThree-Minute Essayを提示された時の私の戸惑いは半端ではなかった。他の学生は文字通りThree-Minuteで記入し終えて次々に教室を出て行き、残ったのは私一人。英文章どころか、自分の名前以外は単語一つ書けない。フォーマットを見つめているうちに涙がぽろぽろ出てきた。

英文章作成とは無縁の世界で長く生活し、突然に、今学んだ事について書けといわれても、語彙も、スペルも、文法も全く頭に思い浮かばないので書きようがなかったのだ。

そんな事を、とつとつとMa先生に訴えていたら(通じたのかな?)先生が慰めてくれた。そして、泣いているうちに、肩の力が抜けて、気が楽になって来たのだ。

ずっと緊張続きで、肩に力が入りすぎていたのだ。涙の効用とでもいうか。

終業後にカフェでお喋りをしようと教室の隅で私を待っていた台湾人ビジネスマンのC君とタイ人ギャルのLさんが私の突然の涙にびっくりしていた。

ほとんど白紙のThree-Minute Essay