隠居のHarvard Summer School 留学記(5)

2004年7月2日(金)

【初めて先生に褒められて】

今日のIntegrated Skillsの授業は、直前に催された2004年のハーバード卒業式典におけるアナン国連事務総長の、やがて創設60年を迎える国連が直面している危機と世界のリーダーとなるべきハーバード大学卒業生への期待を盛り込んだ記念スピーチのレジメを議題にしてグループで討議を行い、その後でグループ代表がリポーターとして皆の前でスピーチのサマリーを発表するものであった。

サマリーとは元になる文章から鍵となるポイントをピックアップして自分の言葉で簡潔に要約することだが、今回のMa先生の指示は3ページのレジメを10行以内にまとめる事だったが、その点では私だけでなく他グループのレポーターも要望に応えられなかった。

授業開始以来の私は、多国籍のクラスメートの癖のある英語を聞き取れなくてイライラしているところに、クラスメートからも私の英語が聞き取りにくいと批判されて自信を失い、グループ討議では頭の中ではいろいろ意見が渦巻いていても英語で発言できないためにひたすら他の人の発言に耳を傾けるだけだったのでレポーターどころではなかった。

しかし、たかだか13人のクラス、順番はいつか回ってくる。いつまでも逃げ回る事はできないので、今回は思い切ってレポーターを引き受けることにして、寮で電子辞書と珈琲を脇に眠い目をこすりながら長い文章に目を通し、何が重要なポイントか把握し、自分の言葉でまとめて発表することにしたのだ。

さて、私が立ち上がって、
Acoording to Summary of Kofi; Annan’s speech
Now there are three crisis in the World
First a crisis of collective security
と、始めたところでMa先生が「very good」と励ましてくれ、そして、もう一度初めから進めるようにと促してくれた。そして私が上気しながら読み終えると「Kazuのサマリーは自分の頭で考え、自分の言葉でまとめられている」と評価してくれたのだ。 

添削入りのサマリーの冒頭

2004年7月3日(土)

【疲労困憊で爆睡】

とにかく物凄く疲れている。昨日はカフェテリアで軽い夕食を摂り、部屋に戻ってシャワーを浴びて日本から持ち込んだ文庫本の夏樹静子のミステリー短編集を読もうとしたが3分と続かず、結局10時30分頃にパジャマに着替えて眠ってしまった。爆睡して起床したのが翌朝の7時30分。緊張感と睡眠不足で疲労困憊していたようだ。

思えば仕事の引き継ぎを慌ただしく終えて何とか5月31日に定年退職に漕ぎ着けたものの、翌日から年金受給手続き、健康保険切り替え手続き、予防接種、学生ビザ取得、学校当局とのネットを介しての諸々手続、スクール前後のホテル予約、荷造りを含む渡航準備、留守宅の諸々手配などバタバタと動きまわって6月21日に日本を発ったのだった。

そして、いきなり英語漬けの環境に放りこまれ、見渡せば周囲は18歳から30代半ばの記憶力・集中力・体力の横溢した多国籍の自信満々の輩ばかり、そのでたった一人の草臥れた60才、おまけにサマータイム時のボストン・東京間の時差14時間、これでは、疲労困憊にもなりますわな。

観光客に人気のジョン・ハーバードの像

何時も人出でにぎわうハーバード・スクエア