絵で見る暮しの断片 見知らぬ「同好の士」

1) アトリエから:絵で見る暮らしの断片

(1) ホームカフェ


何をトチ狂ったか、珈琲粉を買ったつもりで袋を開けると中から豆が現れた。その200グラムの豆を無駄にしたくなくて買ったのが左のコーヒーミル。

セラミックの刃、スタイリッシュなデザイン、手入れがし易い、そして値段が手頃だったことが決め手になった。コーヒーミルが登場するだけで「ホームカフェ」の設えが出来上がる。


(2) 兄弟甕


大小の二つの甕、模様が似ているので兄弟甕。大きい方の兄ちゃん甕には「手作り梅干」が納まっているが、この年明けまでは25年来作り続けた「手前味噌」が納まっていた。

寄る年波のせいか、茹でた2キロの大豆を麺棒で潰すのが辛くなり、市販の味噌に切り替えたのを機に「梅干入れ」と化した。

で、それまで「梅干入れ」を担ってきた弟甕は只今空家で、何を収めるか目下思案中。


2) 見知らぬ「同行の士」


私は現在、この「閑居の窓」と「隠居journal」(http://d.hatena.ne.jp/K-sako/)の二つのブログをそれぞれ月に月2回更新で書きつづけている。

で、「隠居journal」で連載中の「新古今の周辺」の資料にと、中古書ネットで取り寄せた『新古今集後鳥羽院と定家の時代』田渕句美子著(角川選書)のページを捲っていると上図のような枯葉が姿を現した。色と云い形と云い完ぺきな美しさを備えている。

その枯葉を挟んだページが、藤原定家の『明月記 元久元年十一月三十日条』、九十一歳の父俊成の臨終に関わるくだり。

長い間、藤原定家と『明月記』に深い関心を抱いてきた私としては、枯葉を挟んだ未知の誰かに「同好の士」と出会ったような連帯感を抱いた。