高山きゅうりと茄子、ポール・シニャックの淡彩画

(1) 高山きゅりと茄子

お初にお目にかかる高山きゅうり。群馬県高山村周辺の農家のお年寄りが自分たち用に細々と栽培して今に伝わる地這いきゅうりとか。珍しいので、茄子と取り合わせて描いてみた。高山きゅうりが巨大なので普通の茄子が小茄子に見える。


縦半分に割り、ワタを抜いて薄切りにして軽く塩もみしてだけで、瑞々しいきゅうりの水分が全身にしみわたる。塩昆布やちりめんじゃこと和えると火を使わないでも立派な惣菜になるのが有難い。


(2)間近で対面したいポール・シニャックの淡彩画

下図は赤レンガ倉庫からの眺めを淡彩画を意識して昨年8月に描いたものだが、細かい描写力にに欠けて中途半端に終わった作品。


私が淡彩画に惹かれたのは画集でポール・シニャックの作品に出合ったのがキッカケだった。彼は親交を結んだスーラーと点描画を確立した巨匠だが、確かに構造的な色の配置や鮮やかな色彩で観る上では彼の点描画は好きだが、デッサンと水彩で表現したい私にとっては淡彩画家シニャックこそがお手本なのだ。


ポール・シニャックヴェニス風景」


望むらくは彼の淡彩画と間近で向き合いたいのだが、私の知る限り都内でシニャック作品を所蔵しているのは国立西洋美術館が2点、松岡美術館が1点、ブリヂストン美術館が1点で、その中で淡彩画は西洋美術館が所蔵する『漁船』のみ。その『漁船』とは未だ対面叶わず、ポストカードで慰めている。


「漁船」(国立西洋美術館ポストカードから)