国産柑橘類、Tate Modern 他

1) スケッチブックから〜国産柑橘類(上)

契約している食品宅配のカタログを眺めていると国産の柑橘で美味しそうなものが目についたので幾つか食べてみる事にした。今回はその前編。


(1) 日向夏(宮崎・熊本産)
 甘さと酸っぱさが程々にミックスした果汁がたっぷりで、袋もワタも食べられる。




(2) 福原オレンヂ(静岡産)
 櫛形に切り分ける(スマイルカット)と身離れがよく、濃厚な甘い果汁を余すところなく食べつくせる。


(3) ニューサマーオレンジ(静岡産)
 包丁で切れ目を入れると爽やかな香りが周囲を満たす。少し酸っぱみの勝る甘さで袋もワタも食べられる。  



2) 閑話〜反グローバリズムとTate Modernのロンドン旅行 

2001年5月1日に10年ぶりにLondonの地を踏んだ時はメーカ勤務の友人と一緒であった。この時はロンドンの市民生活を楽しむのが目的で、ピカデリー・サーカス、劇場街のウエスト・エンド、ブランドショップのリージェントストリートに近いシェラトン・パークレーンに6泊で滞在した。


(1)反グローバリズム闘争

ホテルで宿泊手続きを終えた友人と私は荷物を部屋に放り込み、いざいざブランドショッピングをと意気込んでリーヂェント・ストリートに足を踏みたのだが、どの店舗も頑丈板囲いで覆われて買い物が出来る状況ではなかった。

出鼻をくじかれた格好の私たちは、先ずは情報収集をと開店しているカフェに腰を下ろして店内の会話に耳を傾けていると、その夜に反グローバリズムの大規模闘争が予定され、首相官邸やリーヂェント・ストリートがデモ行進の対象になっている事が分ってきた。カフェの外に目をやるとバス停や地下鉄駅を目指して帰宅を急ぐ人が多い。

仕方なくホテルに引き返して1階のカフェで夕食を摂っていると、隣接する地下鉄・グリーンパーク駅からどんどん黒い影が現れ、目の前のグリーンパークに吸い込まれていく。デモの集合場所がグリーンパークになっていたのだ。

その夜はすることもなく友人と部屋の中でテレビを見ていると、ヘルメットと覆面で顔を覆ったデモ隊と楯で武装した機動隊と角突きあわせて揉み合う姿や、道路の敷石を剥がして怒号と共に機動隊に投げつけるデモ隊の姿が生々しく映し出され、当時ヨーロッパを席捲していた反グローバリズム闘争の激しさをまざまざと見せつけられると共に、日本でいかに自分が平和ボケであったかも思い知らされた。


(2)Tate Modern

Tate Modern(http://www.tate.org.uk/visit/tate-modern)は、テームズ川を挟んで金融街シティとセントポール大聖堂を臨む眺望に恵まれた国立の近現代美術館で、これは1981年に閉鎖された「バンクサイド発電所」の建物を改造して、シンボルとしての99メートルの大煙突や、巨大なタービン・ホールを大エントランスホールにするなど、そこかしこに発電所の設備を巧みに活用して2000年5月12日にオープンした。

私達がそのTate Modernに足を運んだのは、London出張時に現地駐在員から案内されて甚くお気に召した当時の担当常務から是非にと薦められたからであった。

オープン1年後に私たちが訪れた時は、企画展は有料ではあったが、多様な絵画・彫刻・インスタレーションが配置された常設展示は無料で、2時間ではとても見切れないほど広々とした展示会場を大股で闊歩しながら、大英帝国の気前の良い美術・観光政策に深く感謝したのであった。

また、手頃な値段で軽食とドリンクのサービスが得られる1階の広いカフェでは、臙脂色のユニフォームを着た若々しい従業員の軽いフットワークも清々しく、聞くところによると彼らの大半は美術専攻学生とかで、ここにも、芸術家志望の若者を支援する大英帝国の姿勢も窺えて日本でも参考にできるのではないかと思ったりした。

かくして、Tate Modernは英国民のみならず世界の美術好き磁石のように惹きつけている。