四十年近く勤務した会社を定年退職して、隠居暮らしを始めて丁度一年になる。人生90年の時代において60歳で隠居は少し早すぎるかもしれないが、サラリーマン時代から「定年になったら」と、色々やりたいことを積み残してきた。
ジョルジュ・シムノンの傑作「メグレ警視シリーズ」を読み返すことであれ、昭和58年の刊行時から、こつこつと買い溜めた「新潮日本古典集成」を読み返すことであれ、はたまた、ネットワークで情報発信をする事であれ、何れも視力と集中力と体力を要求するうえに、細切れではなく、一連のまとまった時間を必要とする。
それで、まだまだ元気な今のうちから、こころゆくまで好きな事に没頭するため、しばらく隠居暮らしをする事にした。会社勤めをしていると中々出来ない事もあるのだ。
つまり、これは、隠居暮らしの折々の日記でもある。隠居Journal事始。